シルバーウィークの連休を利用して涸沢カールへ行ってきました。
涸沢カールは日本一の紅葉と言われ、例年9月下旬から10月中旬の時期に紅葉の見頃を迎える場所で、ハイカーなら誰もが憧れる美しい紅葉エリアです。紅葉は様々な自然条件が重なり葉の色付き具合が毎年異なりますが、今年は気温がなかなか下がらず、既に9月の後半だというのに山の木々は青々として、まるで夏山の様相でした。
2年前のシルバウィーク涸沢カール山行
そもそも「カール」とは何を意味するかご存知ですか?
日本語に訳すると「圏谷(けんこく)」と呼ばれています。氷河の侵食・堆積作用によって、すり鉢のようにえぐられ、削られた部分の周辺は急傾斜で底の部分は緩い傾斜になっています。
そして、今回の涸沢カールは、北アルプス穂高岳の長野県側中腹・標高2,300mに位置し、秋になると、この椀状の地形全体が赤やオレンジ、黄色と鮮やかに染まり、息をのむ絶景が見られます。
今回の行程
始まりの地は、いつもの「さわんどバスターミナル」
土砂降りの東京を後にして、いつもの「さわんどバスターミナル」市営第3駐車場に12時過ぎに到着。
こちらはすっかり雨も上がり、星空も見えていました。
この時間で8割がた駐車場は埋まってました。
とりあえず、5:00の始発バスまで車で仮眠することにします。
4:30ごろ支度を済ませて駐車場からバスターミナルへ向かうと、切符売り場には既に行列ができていました。
ちなみにバスの運賃は上高地まで片道1,300円で往復は2,400円と200円お得となります。
バスは臨時便が出ていて、行列ほど待つことなく、すぐに乗り込むことができました。
大賑わいの上高地から出発
バスに揺られること30分ほどで、上高地バスターミナルに到着です。
お店も何もやってないのですぐに上高地を出発して歩きはじめます。(登山届はネットにて提出済み)
涸沢カールはテント場のキャパは大きいとは言え、テント場はゴロ石や岩が多く、小屋に近い幕営適地は早い時間に売り切れます。良い場所を確保するためにも、そそくさと歩き始めます。→ワンポールシェルターなので設営場所は大切です。
例年だと有休をとって前乗りするのですが、今回はカレンダー通りの行動ですので、テント争奪戦に加わらなくてはなりません。
日中は観光客で大賑わいの河童橋付近も、この時間は登山客しかいません。
上高地からは平坦な道を横尾まで向かいます。
道中には明神や徳沢といった中継地があり、平坦な道が続きます。
コースタイムは2時間半から3時間といった所でしょうか。
連休初日なので、トレイルはハイカーで溢れています。
普段なら、のんびり景色を楽しみながら横尾まで歩くところですが、皆さん歩くのが早いので、つられてペースが上がります。
テント争奪戦はすでに始まっているということです。ここで気を抜くわけには行きません。
例年より水量が少ない梓川。
なんでも、例年より雪解けが早く雨不足も重なって、北アルプス界隈の山小屋などでは深刻な水不足に陥り、飲み水の提供をとりやめる事態になっています。
お盆休みに行った双六山荘でも水不足で節水を呼びかけていましたね。
明神館に到着。
いつもならのんびり休憩したりしますが、今回はスルーで先を急ぎます。
徳沢園に到着。
ここの「みちくさ食堂」は大人気の軽食処です。
いつもなら、綺麗な清流が流れているんですが、干上がってます。
こんな看板が出てました!!
びっくりマークをつけていますが、前日Webサイトに掲載されていたので、それほど驚きはありませんでした。
とは言え、水が豊富でいつも無料提供してくれる涸沢で水が無いなんて、そんなこともあるんですね。これも地球温暖化の影響なのでしょうか。
横尾までダッシュでやってきました。
とりあえず、2日分の水を補給して担ぎ上げることに。。。ザックが重い。
横尾大橋を渡ると本格的な登山道が始まります。
ここから涸沢までは約2時間半の道のりとなりますが、まずは本谷橋を目指します。
いざ涸沢カールへ
明け方の曇り空から一転しての晴天。
いやー、やはり青空の中を歩くのは気持ちいいですね。まだまだ、夏空といった感じです。
左手に見える大きな岩は屏風岩です。
川の流れる音が近くなり、開けた所が現れたらそこは本谷橋です。
ただ、水の流れる音はするのですが、水は全く見えません。
例年なら、クールダウンの為ここで水浴びする方が多いのですが…
行動食を頬張った後、そそくさと出発します。
本谷橋からは、標高をジリジリと上げていき、ここから登山道も本気を出してきます。
なかなかの急登が続きます。
9月も後半だというのに木々は青々としています。
ちらっと涸沢が見えてきましたが、ここからがまだ遠い。
とても写真映えする場所ですが、落石の危険があるので「止まらず進め」とされている場所です。
いやー、何度訪れてもいい場所です。
どこをみても絶景が広がっていて、なかなか前に進むことができません。
草花もまだ紅葉までは程遠いですね。
雲もで出来たので先を急ぎます。
涸沢カールに到着
雨に降られるかと心配してましたが、そんな心配も杞憂に終わり、初めて雨も風も吹雪もない穏やかな天候の中、テントを設営することができました。
ここのテント場ですが、涸沢ヒュッテに近い方だと岩がゴツゴツしていて、非自立式のワンポールシェルターだと設営に一苦労してしまいますが、涸沢小屋側のテント場は比較的フラットで広めな場所が多いので、いつもこちらに設営しています。
使用しているワンポールシェルター
ただ、お手洗いに行くのには、涸沢小屋の斜面を登るのが億劫なので、ちょっと遠い涸沢ヒュッテまで歩いて行きます。
午後になりテントの数も増えていき、夕方になると自分のテントの周りも、いつの間にか大勢のテントが張られてました。
テントを設営した後、いつもは涸沢ヒュッテで「おでん」をいただくのが定番となっていましたが、今回は趣向を変えて涸沢小屋に向かいました。
そこで、特別メニュー「牛丼に五平餅のトッピング」(笑)と、名物の「モツ煮」をいただきました。
普段、お酒は飲まなくなってしまったのですが、山で飲む久々のビールは美味い!!
ランチを終えた後、テントに戻り夕方までお昼寝をし目を覚ますと、雨が降り出してきました。
この日は星空も期待できないので、この日はこのまま就寝し翌朝を迎えました。
涸沢カールといえば有名なのがモルゲンロート。
夜が明けきらない早朝に、山脈がが赤く染まる朝焼けのことで、山がもっとも美しく見えるときの一つと言われていますが、何度も見ているので、横目でチラチラ見ながら準備を整えます。
この後は、念願の奥穂高岳へ!