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【登山】毎年恒例となった「涸沢カール」へ行ってきました(後編)

続きです。

シルバーウィークの連休を利用して涸沢カールへ。初日は上高地から涸沢に入り、テントを張ってマッタリしました。
後編は、涸沢岳登頂から下山までを書いていきます。

前回の記事はこちら

今回の行程です。

 



 

涸沢カールから

夕方から霧が立ち込め、その後は雨も降り出してきたので、そのまま就寝してしまいました。

翌朝はすっきり青空!!

この時期は夜になると冷え込みも結構なもので、前回来た時はダウンを着込んで寝袋に包まっていた記憶があり、今回も防寒対策万全で用意をしてきましたが、今年は夜になっても気温もそれほど下がらず、テント内は蒸し暑いくらいで、結局ダウンどころか寝袋も上にかけるだけで、寒さで起きることなく朝まで熟睡できました。

ほんと、この暖かさにはビックリです。

この日の目的地は、ここ涸沢カールからいつも見上げていた奥穂高です。
2年前は高山病のためザイテングラードの取付きで引き返しましたが、今回はその先を目指します。

高山病予防のため「救心」なるものも服用し、万全の体制で臨みます。
TVCMの「♪キューシン、キューシン」で昭和世代ではお馴染みの「救心」ですが、公式サイトのQ&Aにはこのように記載されています。

国立名古屋大学で実施した実験的高所・低酸素環境下での実験でも救心が、動機、息切れ、頭重、頭痛、倦怠、ねむけなど、高山病の徴候を改善するデータが得られています。 1970年から81年にかけては、日本山岳会東海支部の協力によりヒマラヤのマカルー、パミールといった世界の屋根と呼ばれる山々において救心の効果が実証され、さらに、2001年、明治大学山岳部のガッシャーブルム登山隊においても救心の有用性が確かめられました。
出典: 公式サイト「救心について」より

また、この「国立名古屋大学での実験結果」は、救心サイトの「医療関係者の皆様へ」内の文献にPDFデータがありました。

モルゲンロートを横目でチラチラ見ながら準備を済ませ、6時にテント場を出発しました。
ザックも軽いし、頑張っていきましょう!!

涸沢小屋を抜けて少し進むと、こんな感じの岩場を登っていきます。

ここで涸沢から奥穂までの道のりについて、涸沢小屋から進んでいき、ザイテングラードをひたすら上に登り、穂高岳山荘からハシゴを登って進むだけです。
道順は簡単ですが、涸沢カールの標高は約2300m、奥穂高岳山頂は3190mで、南アルプスの北岳の3192mに次ぐ日本第3位の高峰隣、今回はこの差約890mを登らなければなりません。

涸沢から全体を見ることができ、下からは壁のように見えるルートも、いざ登ってみると意外と登りやすいのが実感です。

とはいえ、きつい登りなのは変わりありません。
空気も薄くなってきているのか、少し動くとゼーセーハーハーいってしまいます。

太陽が高く登ってきて、雲ひとつない青空が広がっています。
山の岩の間に茂る草が黄色くなっていて、少し紅葉しているようです。
そびえ立つ山肌も、昨晩の雨で湿っているのか、光を浴びてキラキラと綺麗です。



 

ザイテングラードから穂高岳山荘へ

ザイテングラードの取付きまでやってきました。
ハイカーの皆さんも一息ついてい流ので、我々もここでひと休みして、エネルギーを蓄えます。

栄養補給も済ませ、息も整ったので出発します。
ここからは、落石などもあるのでヘルメット必須です。小屋ではレンタルもあるそうです。

ここからがザイテングラードの始まり始まり。
岩場あり、鎖場あり、ハシゴありと、なかなかエキサイティングなトレイルです。
とはいえ、慎重に進めば難しいところはありませんでした。

結構登ってきてテント場が小さくなってきました。

穂高岳山荘まで後少し!!
とはいえ、結構な急登続きで疲れました。。。
とりあえず、気合いで前に進みます。



 

穂高岳山荘

やっと小屋につきました。おつかれさま。

穂高岳山荘に着いて、一息ついきます。
山荘はほぼ3000mの標高のところにあるので、蒸し暑い涸沢の違い風が心地いい。

とりあえず、ここでちょっと早いランチにします。
小屋の食堂は10:30からオープンだったので、そこでラーメンをいただきました。
食事が出来るスペースは、後に並んでいる方も多くいたので、ササっと食べ出てきてしまったので、写真がなくてすいません。

感想はというと、あの場所であの味を提供できるんだから凄いの一言です。
標高の高いところだと水の沸点が低いことから、麺物とか茹でるの大変かなって思います。あと、スープも美味しかったです!!

ランチを終えて、ちょっと思案します。

穂高岳山荘の向かって左手に高い岩の壁がそびえ立っています。
よくみると、その壁にへばりついている人の列が見えます。
そう、奥穂高岳にいくのは、この岩壁を越えていかなくはならないのです。

そして、そのルートは登る人と下る人とで大渋滞となっています。
時折「ラークっ!!ラークっ!!」「5人下ります!!」などの叫び声も聞こえてきます。
下から見ているとカオスの一言。

せっかくここまで来たのだから、構わず行こう!!

…とはなりません。
人間年を重ねると淡白になります。
執着心などありません。

反対に位置する涸沢岳方面はガラガラなので、そちらにルート変更です。



 

涸沢岳

マイペースで涸沢岳に向かいます。
向かいの奥穂ルートとは違い大変静かです。

穂高山荘から200mほど登ります。

この時間になると少し雲があがってきて、振り返ると奥穂高の山頂も雲に覆われてきました。
ここでガスに覆われたら、下山が困難だなぁ。。。と思いつつ先を急ぎます。

涸沢岳(3,110m)に登頂しました。
なんと、今回初の3000m超えとなります。

山頂は結構狭く、涸沢カール側は断崖絶壁の様相で、落ちたら確実に死んでしまいます。
3000mを超えた高さから見渡す北アルプスは「絶景」の一言。

雲が増えてきてしまったけど、北穂高の方向をパシャ。

今回向かうはずだった奥穂高岳を涸沢岳山頂から眺めます。
山容がかっこいいですね。魔王の巣窟を思わせます。

涸沢岳から穂高岳山荘へ下山します。
奥穂の方は雲に覆われてます。
もし、向こうに登っていたら今頃ガスガスだったかな?

穂高山荘からおりていきます。
人は相変わらず多いです。

ザイテングラードも終盤に差し掛かってきて、ガスが迫ってきています。

反対側は、まだ青空が。
しかし、こうしてみても、まだ夏の空って感じの雲ですね。

ザイテングラードの取付きまで戻ってきました。
いやー疲れたぁ。

しかし、気を抜かずにもう少し下っていきます。

午後3時ごろ、涸沢小屋へ戻ってきました。
結構混んでますねぇ。

ここで「モツ煮」とビールを頼んで、今日の祝杯をあげました。
「祝3000m初登頂」です。

そのあとは、テントに戻ってお昼寝タイム。
気持ちよかったぁ。



 

涸沢カール2夜目

夜になると涸沢はガスに包まれていました。
今夜も星空は期待できないかなぁ。今回も三脚はただの重しと化したものになってしまうのか。
しかし、今日も涸沢はテントでいっぱいでした。恐るべし9月の連休…

とりあえず、明日に備えて荷物を整理し、寝ることにします。

夜半過ぎ、何気なーくテントの外を覗いてみると…
なんと、空が満点の星で埋め尽くされています。

時折、雲が流れてきたりしていますが、カメラをセットして撮影してみました。

結構、こんな遅い時間で起きている方も多くいました。

TAMRON 11-20mm F2.8 Di III-A RXDを使って撮影してみましたが、こうしてみると星空撮影の場合、もっと超広角のレンズが欲しくなりますねぇ。



 

上高地に向けて下山

空が白み始めた頃、朝5時に起床し撤収作業を始めます。

写真に写っている、お気に入りのLocusgearのHapi Sillですが、使い始めて3年となります。
結露をすると生地が伸びてタルンタルンになるのが難点です。そして、シルナイロンは水を含むと伸びて重くなります。
今度はダイニーマ製のものにしようかとも考えてますが、大人気のため納期が7ヶ月とかなので、注文するのに躊躇しております。

6時ともなると太陽も高く上がり、強い光に照らされた穂高連峰の山々が凛とした姿でそびえ立っていました。

また来年来ます!!

黙々と歩いて上高地を目指します。
2年前のシルバーウィークでは、のんびり下山して夕方ごろ上高地のバスターミナルに着くと大混雑。
観光客の帰る方達と重なってしまい、バスに乗るのに大行列となっていて、乗り込むまでに3時間かかってしまったことを教訓に、今回はダッシュで下山します。

多分、観光客の方々は夕方ごろまで遊んでから帰ると思うので、午前中のバスなら、それほど並ばずに乗り込めるのではないかとの計算です。

横尾に到着しました。
とりあえずここはスルーして先を急ぎます。

徳沢園に到着しました。
ここもスルー…はしません。

徳沢園では恒例の、名物のソフトクリームとアイスコーヒーを組み合わせた「コーヒーソフト」をいただく儀式があります。
これを食べないとダメなんです。
山歩きで疲れた身体を優しく癒してくれます。

ここで30分くらいのんびりして、上高地に向けてダッシュします。
上高地までは平地歩きが長いのですが、梓川と山の景色を眺めつつがんばって歩きます。

上高地のバスターミナルに到着。
バスは30分くらい並びましたが、自分の中では過去一番のスピードで下山してきたので、その甲斐あってか午前中のバスに乗り込むことができました。

また、バスを待っている時、雨が降り出してきました。
ちょうど建物のひさしの下で並んでいたので濡れずに済みました。
「日頃の行いがものを言う」とはこのことでしょうか。



 

まとめ

4年連続で秋の涸沢カールに出かけてきました。
登山を始める前にYoutubeなどで何度も何度も映像で見ていて、それ以来、毎年恒例行事のようにここに向かう、本当に大好きな場所です。

今回は3日間とも行動中は晴天に恵まれ、素晴らしい景色を堪能することができました。

とはいえ、今年の北アルプスが陥っている深刻な水不足問題が涸沢でも起こってましたが、これから本格的な紅葉シーズンを迎えるに当たって、ますます深刻な状況となることは想像に難しくありません。
この水不足が慢性的なものにならないことを祈るばかりです。

また、9月の後半ともいえば、標高2000mの涸沢あたりでは朝晩の冷え込みもあるので、上下ダウンなどの防寒着も必須と言える時期といえますが、今年は夜でも長袖のシャツで過ごせるほど暖かく、ちょっと拍子抜けしました。
そのせいもあってか、今回は草紅葉くらいで、木々はまだまだ青々としていたのが少し残念に思いました。

涸沢岳から見える景色は最高でした。
もうずっと降りたくないと思うほどです。

山頂から見えた北アルプスの山々は、まだ行ったことのないところばかりですが、レベルに合ったところから登っていけたらと思います。

ではでは。

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