明けましておめでとうございます。
新年早々、とても辛く悲しいニュースばかりが続いております。
今回の地震で大きな被害が出ている能登は、数年前にテント泊でぐるっと回ってきたところで、景色も食事もとても素晴らしい場所で、今年はまた行こうと思っていた矢先のことでしたので、ちょっと複雑な心境です。
まだ、避難生活や安否の確認もままならない状況とも言えますが、一刻も早い復興で日常を取り戻せるようお祈りしています。
昨年末に2023年の最後を締めくくる山行となる、北八ヶ岳へ行ってまいりました。
前年に訪れてとても良かった「白駒荘」で一泊するスノーハイキングを計画しておりましたが、この時期では異例とも言える積雪の少なさで、スノーシューどころかアイゼンすらも必要のないトレイルでした。
一部の地域を除いて全国的に雪不足で、スキー場などではオープンできない場所があり、滑走可能なスキー場でも十分な積雪がない一部コースを閉鎖するなどして対応せざるを得ない状況が続いているそうです。
普段積雪の多い地域の方は、雪かきなどの労力が軽減されて良いこととは思いますが、雪不足で困ることでまず思い浮かぶのは、山の水源ではないでしょうか。雪解け水が少なくなると川に流れ込む水も少なくなり、水不足の原因となります。
昨年の夏から秋にかけて、北アルプスの一部の山小屋は深刻な水不足に陥ってました。実際に9月の涸沢山行では、横尾から2泊分の水を担ぎ上げました。水は登山者にとって生命線ともいえるものですが、冬の積雪量の減少や春の高温だと考えられ、今年の夏もこのままでは水不足が懸念されます。
今回のコースはこちらです。
北八ケ岳ロープウェイで気軽に標高を稼げて、雪山を楽しめる北八ケ岳ですが、今回は長野県の茅野市と佐久穂町にまたがる縞枯山(しまがれやま)、茶臼山(ちゃうすやま)を経由して白駒山荘にて一泊しました。
北八ヶ岳ロープーウェイ
スイス風な北八ヶ岳ロープウェイ駅。
この時点で既に標高は1,700メートル以上あります。
北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅前の駐車場は無料です。
都内を朝6時30分ごろに出発して、9:00に「北八ヶ岳ロープーウェイ」乗り場の駐車場に到着しました。
ご覧の通り、全く雪がありません。ロープーウェイの次の便は10時とのことで、のんびりと準備して乗り場へ向かいました。往復チケットは大人2,100円ですが、モンベルのメンバーカードを見せて200円引きの1,900円で購入。(公式サイト)
乗客の9割はスキー&スノボー客で賑わっており、登山者は少数派でした。ゲレンデは100%滑走可能とはなっておらず、ところどころ芝生が見えていました。
2237mの山頂駅まで7分で行けます。混雑していたので写真は撮れませんでしたが、雪をかぶった北アルプスの山々が白く輝いていました。
昨年とは大違いで、駅を出ると目の前には八ヶ岳ブルーが広がっています。
とはいえ、全く雪はありませんが。。。
ここに来るまで、「山頂駅に着いたらいつものように一面の銀世界が待っているかも」などと淡い期待を寄せておりましたが、現実はやはり違いました。
縞枯山・茶臼岳を目指して
坪庭駅を出発し、縞枯山を目指します。
普段ならここでアイゼンを装着したり準備で時間がかかってしまいますが、このコンディションならアイゼンをつけることなくサクサク出発です。
森を抜けると縞枯山荘が見えてきました。
ブルーの三角屋根が目印です。
八丁平に立つ縞枯山荘ですが通年営業の小屋です。
北八ヶ岳が雪山の初心者向きとされている理由の一つとして、冬期にも営業している山小屋が多いことがあげられます。
木道の上に薄ーく雪が乗っているところが、ツルッと滑るので結構怖いです。
縞枯山への取りつきまでやってきました。
分岐になって、標識通り縞枯山方面に向かいます。
雪も少しだけ出てきましたが、それほど深くないのでアイゼンをつけずにその進んでいきます。
木々の間から陽の光が差し込んできて、木々に着いた氷がキラキラと光って綺麗でした。
森のトンネルを進んでいきます。
結構な坂がどこまでも続いている感じです。
山頂までの標高差は150メートルあるかないか位ですが、結構な急登です。
汗冷えをしないように、暑くなったらすぐ脱いで、寒くなったら着込むのを繰り返します。
ちょっとめんど臭いのですが、登りで汗をかかない一番の対策です。
そうこうしているうちに縞枯山の山頂に着きました。
全然山頂っぽくないところに標識が立っています。
標高は2408mですが、木々に囲まれた場所で全く眺望はありません。
少し進むと北アルプスを一望できる場所がありました。
向こうは雪が多そうですなぁ。
眺望を満喫したあと、再び先を進むことにします。
スタートが遅かったので、ちょっとだけ巻いていきます。
先に進むと縞枯山の名前の由来となる縞枯現象を間近で見ることができました。
縞枯現象は風、降雨、日射などの自然現象によるもので、100年から300年の周期で世代の交代を繰り返すものといわれているそうですが、正確なメカニズムはわかっていないようです。
縞枯山展望台に到着しました。ここの方が先ほどの山頂よりも山頂っぽい感じです。
視線の先には天狗岳や赤岳などが見えます。しかし、向こうも雪がなさそう。
ここから進むと再び森林の中に入り、いったん下って茶臼岳を登り返す感じです。
茶臼山にやってきました。ご覧の通りここも展望は全くありません。
右手に展望台があるのでそちらへ向かうことにします。
山頂から10分くらい進み樹林帯を抜けると、目の前がパッと明るくなり展望台があります。
この展望台が本日の行程におけるハイライト!!
南アルプスから、中央、北アルプスを一望できます。
しかし、結構風が強く長居はできませんでした。
先ほどの展望台から、樹林帯の中をずーと下ってきて「中小場」という開けた場所にやってきました。
ここから振り返ると、今降ってきた茶臼岳を身もことができます。
そこからさらに下ってくると「大石峠」の分岐に到着しました。
笹藪の中を進む感じですが、昨年訪れたときは雪に埋もれて踏み跡すら分からず、国道から麦草峠を目指した場所です。
木道がちらほらと現れますが、滑るので慎重に進みます。
麦草フュッテ
国道299号に出ました。別称”メルヘン街道”ここも雪が全くないですねぇ。
本来この時期なら雪に埋もれているはずなんですが。。。
国道を渡ってすぐのところに麦草フュッテはあります。
中で暖と取らせていただきます。
麦草ヒュッテ入口にある薪ストーブがいい趣きを出しています。
14時を回っていたのでランチは終わってしまいましたが、「おでん」なら出してくれるとのことで、いただくことにしました。
冷え切った体を内臓から温めてくれました。
小屋の主人も「今年は雪がなくてキャンセルも多い」と話していました。
通常なら街からはスノーモービルで国道を上ってくるこの時期、雪がないので車で登ってこれるとのことでした。
少しだけ小腹も満たせたので、先を進むことにします。
今度訪れる時は、ここ麦草フュッテに宿泊したいと思います。
国道と並走するハイキングコースを進んでいきます。
白駒荘
いったん開けた場所に出ると「白駒の奥庭」というところに出ました。
季節にはシャクナゲやコイワカガミ、ゴゼンタチバナの花たちが華麗に咲いているそうです。
本日の宿である白駒荘に到着しました。
のんびり歩いてきましたが、なんとか暗くなる前に到着しました。
入り口には早くも門松が飾られていました。
なんか、ここでやっと「年末」ってのを実感できました。
お風呂に入ったりしてお部屋でダラダラしていると夕食の時間がやってきました。
山小屋とは思えないほどのお料理です。
夕食はボリューム満点!! 人によっては食べきれないくらいかもしれません。
メインが牛肉のしゃぶしゃぶでしたが、大きめのお肉がひとり4枚はありました。
そして、お野菜とお米はご主人が畑で作ったものだそうです。
前回は旧館での宿泊でしたが、今回は新館の個室を予約していたので、綺麗な食堂から陽が沈む白駒池を眺めながらのディナーとなります。
2日目(下山)
2階のお部屋からパシャ。
前回訪れたときは、雪の下に氷が張っている感じでしたが、今回はスケートリンクのような感じです。
白駒池は最大で8mの水深があるそうで、底まで全て凍っているのかどうかわかりませんが、人が歩いても問題ないので、かなり厚みのある氷だと思います。ちなみに標高2000m以上では最大の湖だそうです。
朝食を済ませ、出発の準備を整えて白駒池を歩いてみました。
青い空iに白く輝く白駒池。
道中ほとんど雪のないトレイルでしたので、やっと雪山に来たと実感できました。
名残惜しいですが、白駒荘の主人やスタッフの方々にご挨拶をして帰路につきます。
そして、全く雪のない閉鎖された国道を下っていきます。
岩のうえに薄っすらと雪が乗っていて滑るので、足の置き場に結構気を使います。
「森林浴展望台」まで戻ってきました。
ここまてくると、ロープーウェイ乗り場まで、あと少しです。
本日も快晴也。
空が本当に青くて綺麗。
ということで再び坪庭へ。
気のせいかもしれませんが、昨日よりも雪が溶けて無くなっている気がします。
あとはロープーウェイにのって下山するだけ。
これにて今回の登山は終了です。
まとめ
ということで年末に、雪の無い北八ヶ岳に行ってきました。
前年のクリスマスに訪れた白駒荘。
その時は吹雪の中を進み雪まみれになったのが懐かしく思います。
2023年の前半は、ほとんど山に行く機会がありませんでしたが、5月から活動を再開し色々な山へ行くことができました。2024年の抱負としては、まず「槍ヶ岳」か「剱岳」に登りたいなぁと思っています。
あとは、積み残しとなっているYAMAP「奥多摩ハイカー」のバッチをゲットしたいのですが、残すところは「鷹取山」と「雲取山」だけとなっているのですが、ここ最近のクマ出没ニュースを聞いて日和っています。(熊と喧嘩して勝てるイメージがない)
相変わらず、月一くらいの山行ペースとなっておりますが、のんびりとお付き合いをいただけましたら幸いです。
以上、本年もどうぞよろしくお願い致します。