ずっと計画していた、念願の双六岳に行ってきました。
2泊3日の行程でテント泊です。
昨年は、7月、8月、9月に双六小屋のテント場を予約していましたが、ことごとく予定日に台風が直撃してくれたので、ズーーーっとキャンセルが続き、どうも相性なり巡り合わせが悪い山なのかと悲観的になっておりましたが、今回やっと登ることができました。
山の日の前日、仕事をそそくさと終わらせ、20時に都内を出発しました。
出発を急いだのは駐車場の問題。
新穂高は駐車場の激戦区となり、特にグリーンシーズンは駐車スペースを確保するのが難しいとのこと。前々回の燕岳山行の時でもそうでしたが、北アルプスの超人気山域では「まず駐車場に入れるかどうか」が山行に大きく影響します。(燕岳の中房と新穂高の混雑っぷりは2トップらしいですね)
当初は平湯温泉の「あかんだな駐車場」からタクシーで新穂高に行こうと考えておりましたが、予約が一杯で配車は無理とのことで、直接「鍋平高原駐車場」へ向かうことにしました。
もし、鍋平の駐車場に駐めることが出来なければ、あかんだな駐車場から始発のバスで新穂高入りも最悪考えていました。ただ、その場合は出発時刻が大幅に遅れてしまい、双六小屋のテント場に到着するのは、行程がとても長いので夕方になってしまうのと、夏の炎天下の中長時間歩くリスクもあるので、それだけは避けたいと思っていました。
途中、中央自動車道の諏訪湖SAにて夕食を食べて、鍋平の駐車場には11時に到着。
もう既に多くの車が駐められていて、ドキドキしながら駐車スペースを探していると、何台か空きがありました!!
とりあえず、駐められてよかった。
ということで、3時の出発まで車内で仮眠を取ることにしましたが…
このあと続々と車が入ってきて、駐車スペースをさがすためウロウロ彷徨う車が多く、ヘッドライトの明かりが眩しかったりして、一睡もできませんでした。(これが、後々まで引きずることに)
今回のコース
新穂高温泉からのピストンで双六岳目指しました。
今回紹介する「新穂高温泉から双六岳を目指すコース」は、メインとなる小池新道は、よく整備されていて特に危険箇所もないため、初心者でも楽しめるコースとなっていますが、1日で約1700m位の標高を上げるため楽な行程ではないので体力は必要となります。とはいえ、コースの途中には山小屋や水場が点在しているので安心です。体力に自信のない方は、鏡平山荘で一泊するのも良いかもしれません。
トレイル上から見る景色は、ダイナミックな北アルプスの名峰、槍ヶ岳や奥穂高岳を始めとしたの数々を山を眺めながら歩くことができます。
新穂高〜わさび平小屋
鍋平の駐車場から新穂高の登山センターまでは、40分くらい歩くことになります。
駐車場からの道中、2人組のトレランお兄さんとお話をしながら歩きました。
聞くと槍ヶ岳に向かうとのことでしたが、背中にはヘルメットだけの装備でしたので、恐る恐る「日帰りですか?」とお尋ねすると、「目標11時間」との答えが返ってきました!!
この界隈、強者ばかりと聞いてはいましたが、凄いを通り越してなんと表現して良いやらです。
いつまでも初心者ハイカーとは、時間軸がまるで違います。
途中からは、獣道のような細い林道を下ることになりますが、真っ暗な中でヘッドライトをつけていても、足元が滑るので気を使います。
そんな道を下ると、新穂高の登山センターが目の前に現れました。
あぁこれYouTubeで見たことある!!ってことで、パシャ!!
登山届は事前にネットにて提出してので先へと進みます。
真っ暗闇の中、林道を進んでいきます。
この時期は登山者も多く、前後にはクマ鈴の音が絶えず聞こえていたので安心でしたが、これがもし私たちだけかと思うと、ちょっと心細いかもしれません。
あたりが明るくなってきた頃、これもYouTubeで見たことのある橋までやってきました。
「橋が傾いている為、一切の責任は持ちません」って、怖いこと書いてあります。。。
笠新道の分岐です。
水場もあります。
このルートは水場がたくさんあるので、今回はいつものチューチュー(ハイドレーションパック)は持たず、1リッターのナルゲンボトルで、継ぎ足しながら歩くことにして、少しでも軽量化を図ることにしました。
そうこうしているうちに「わさび平小屋」に到着しました。
早朝なのに、結構な数の登山者で賑わっています。
まだ朝早いので、野菜少なめ。
先は長いので、どんどん進んでいきます。
目指せ鏡平山荘
陽が登ってきました。
ここから「小池新道」のスタートとなり、目指す鏡平まで延々と登りが続きます。
鏡平山荘までのコースタイムをYAMAPで確認すると…3時間30分…
まあ、とりあえず頑張って歩きます。
道迷いしそうな箇所には、これでもかってくらいマーキングやロープが張られていたりして安心です。
絶対に迷子にはさせない!!という意思が伝わってきます。
やはり、グリーンシーズンの山は良いですね。
道端にはたくさんのお花が咲いていました。(名前はわからないけど)
飽きるくらい登り道が続いていきます。
秩父沢に到着。
Youtubeなど見ていると、皆さんここで水浴びしていますが、その気持ちが分かりました。
道中、日差しを遮る樹木がほとんど無いトレイルなので、炎天下の中、汗だくになりながら歩くことを強いられので、沢に飛び込みたくなる衝動に駆られます。
とりあえず、飛び込むのは控えて、頭から沢の水をかぶってクールダウン(くぅぅぅぅぅ、気持ちいい!!)
ここで、ちょっと休憩を入れます。
秩父沢の上部を見上げる。
しっかり休んだので、さあ出発です。
「イタドリが原」という所にきました。
イタドリという鳥にちなんだ地名と思いきや、後で調べると植物の名前らしい。
ここに多く自生しているのが名前の由来。
下界を見下ろすと、新穂高の駐車場が遥か彼方に見えます。
よく登ってきたもんだ。
やっとの思いで「クマの踊り場」に到着。
ここまで来る途中、一睡もせず登り始めたため、寝不足から時々意識が遠のいたりして、歩きながら寝ている場面がありました…
ちょっと危ないので、ベンチで10分くらい寝ることにしました。
こんな時、ちょっとの睡眠でも全然違います。
休憩後、先に進むと平坦な道となり木道へと変化しました。
鏡池に到着しました。
この時は無風だったので、水面には綺麗な青空が映ってました。
強い日差しと寝不足と体力の無さとで、ヘロヘロになりながら鏡平山荘にやってきました。
長かったぁーーー。
多くの人で賑わっていました。
長い長い小池新道に打ちのめさせられ、魂が抜けてゾンビ化しています。
時間もちょうどお昼前ということでここではらごしらえ。
とりあえず、汗を大量に掻いてしまったので、塩分多めのうどんをいただくことに。
関西風の出汁が染み渡りました。
美味しかった!!
あと、山を歩くと禁断症状が必ず出てしまう、コカコーラをがぶ飲みしました。
そのため、お腹がタプタプになり、名物のかき氷まで辿り着くことが出来ませんでした(汗)
山荘を出て1時間後、無事に弓折乗越に到着。
なぜ、道中のことが飛んでしまったかというと、とにかく上りがキツく、写真を撮っている余裕がありませんでした。
それに、ランチの後も、灼熱の小池新道に体力を奪われた体力はそれほど回復せず、本気で鏡平の山荘で一泊しようか悩んだくらいでしたが…
相棒はそれを許してくれず、ゾンビモードでなんとか弓折乗越を登りきりました。
登山は体力よりもメンタルが大事と聞いたことがありますが、ほんとその通りで、弱気になると足が動かなくなりますね。
また、弓折乗越の登坂路では、多くのハイカーが暑さにやられて、死屍累々に木陰で横たわっていました。
既にゾンビ化していた私がいうのもなんですが、ここをゾンビ坂と命名。
苦労の後にはご褒美が待ってました。
素晴らしい眺め。
良きかな、良きかな。
今まで、表銀座側からの槍ヶ岳しか見たことがありませんでしたが、裏から眺める槍もまた格別です。
本当に来てよかった!!
次は、槍ヶ岳に登ってみたいなぁ。
とりあえず、頑張った自分を讃えてみる。
弓折乗越を過ぎると、トラバース区間となり楽できる。。。自分にと言い聞かせ、先に進みます。
振り返ると、先ほど休憩した鏡平山荘が
双六小屋へ
その後、アップダウンを繰り返しながら稜線を進んでいきます。
楽をできると思いきや、このアップダウンがジャブを打たれているかのようにダメージが蓄積されていきます。
太ももは乳酸が溜まりパンパンに…
逆に気持ちよくなってきます。
さあ来い上り坂!!
俺の太ももを痺れさせてくれぇ。
ようやく、目指す双六小屋が見えてきました。
が、ここからが遠い。
もう少し。
やっと、着いた。
後ろ姿を見てください。
もう、ヨロヨロです。
とりあえず、受付を済ませテントを張りました。
テント場は予約制とのこともあり、遅くなってもスペースは確保できそうです。
我々は14時ごろに到着しましたが、このあと続々とテント場はテントで埋め尽くされていきましたが、夕方頃に到着していた方々も、難なくスペースを見つけて設営していたので、無理して急いで来る必要はないですね。
とはいえ、平坦な場所は限られていて、傾斜がついているところが多いので、良い場所を確保したいなら急ぐべきでしょう。
ペグも刺さり易いので、使用しているLocus Gearのシェルターやツェルトなども楽々設営。
電波は双六小屋はdocomo、ソフトバンクが繋がるので、下界のニュースや気象情報も確認できます。
あと、今年は雪解けが早かった為なのか、ここ双六小屋では水不足もあって、テント泊の登山者が使える水場が制限され、水を汲むのに並ぶのに難儀しました。しかし、無料で提供してくれているので、感謝こそあれ文句は言えません。
夕方、小屋の周りをウロウロして、明日目指す鷲羽岳を眺めていました。