連日の猛暑にうんざりしています。
元々、北海道生まれとのこともあり、夏の暑さが大の苦手。真冬の寒さは着込めばなんとかなりますが、暑い時は脱いでも限界があります。
そんな日々を抜け出して、涼を求めて尾瀬へ行ってきました。
今回は、登山と言うよりも、只々、高原をのんびり歩こうと思いから、鳩待峠から入って尾瀬ヶ原を歩き、見晴キャンプ場でテント泊するだけのハイキングとなります。
今回のコース
「はるかな尾瀬、遠い空」と唱歌にも歌われ、親しまれてきた尾瀬。関東の方なら馴染みがあると思いますが、尾瀬は、福島県、新潟県、群馬県、栃木県の4県にまたがる、周囲を2000m級のに山々に囲まれた、日本有数の高層湿原で、尾瀬ヶ原で標高1,400メートル、数多くの湿原、大小様々な池、沼、池塘が点在し、2007年に「日光国立公園」から、「尾瀬国立公園」として指定されました。
群馬県側の登山口、鳩待峠へのアクセスについては、シーズン中はマイカー規制がされていて、群馬県片品村の戸倉地区(尾瀬戸倉)に車を停めて、送迎バス、乗り合いタクシーを利用することになります。
始発バスは5時となりますが、戸倉の尾瀬第一駐車場に到着したのは朝の6時、普段の山行よりものんびりしています。駐車場の埋まり具合は7割程度でしたが、早朝のピークは過ぎているのか、特に並ぶこともなく、片道1000円のチケットを買ってすぐに乗り合いタクシーに乗り込みました。(バスは時刻表通り運行していますが、乗り遅れたりしても、乗合タクシーがどんどん来ますので、心配ありません)
鳩待峠から山の鼻
戸倉から鳩待峠までの乗車時間は20分程度。鳩待峠の駐車場から3分ほど歩いて鳩待峠休憩所や鳩街山荘がある尾瀬入口へ。
いよいよスタートです。まずは尾瀬ヶ原へ。
この看板を見ると、尾瀬に来た!! って実感が湧きます。
標高差200m弱、3.3kmの距離をゆるゆると下っていきます。
石畳の階段、とても整備された登山道に感謝!!
尾瀬の森に優しい朝日が差し込みました。
木道を下っていきますが、朝露で濡れているのでスリップに注意です。
とはいえ、注意して歩いているつもりでも、突然ズルッと行きます。
向かいから帰りの登山者の方に「10分先にクマがいたので注意してくださいね」とお声がけいただきました。
前後の登山者の方々は、それを聞いて盛大にクマ鈴を鳴らしながら歩いていました。(笑えるぐらい森の中で鈴が鳴り響いてました)
ただ、観光客らしい軽装の方も結構歩いていて、熊鈴はおろかスニーカーで入山しているのは、ちょっと驚きました。登山口で注意喚起した方が良いのではないかと思いましたが、まあ自己責任ってことで。
あと、尾瀬の基本的に右側通行となっています、覚えておこう!
車と同じ左側を歩いていたら、おじさんに「尾瀬は右側通行だよ~」と教えてもった(汗)
木道をよく見ると、「TEPCO」焼印が入っていました。実は尾瀬国立公園の約4割の土地を所有しているのが東京電力。尾瀬の環境保全や遊歩道整備には、東電が深く関わっているようです。
この木道の焼印ですが、「TEPCO(東京電力)」の他、「環(環境省)」などもあって、設置年の表記も西暦、平成、令和などがあり、ちょっと楽しくなって、チェックながら歩いてました。
上から読んでも、下から読んでも「川上川」
歩き始めて1時間ほどで建物が建ち並ぶエリアに来た。
尾瀬ヶ原や至仏山などの分岐点になる「山の鼻」に到着です。
ビジターセンターでは、尾瀬の動植物や地理、気象情報、自然情報などの展示があるほか、職員が常駐し、自然保護活動や情報発信をおこなっています。
ここは、トイレ休憩を済ませて出発です。
早く尾瀬ヶ原を見たい!!
尾瀬ヶ原
来ましたよ!!
これこれ、この景色が見たかった。
木道に入ると、前方には日本百名山の一つ、燧ヶ岳(ひうちがたけ)2356mが見えてきます。
尾瀬のシンボル的な山で、福島県の最高峰の山。
ちょっと木道を歩くと、左手の草むらがガサガサ揺れていたので、目を凝らしてみると、子グマらしき黒い動物が動いてました。
しばらく見てましたが、そのうち奥の森の中へ消えていきました。
どこまでも続く木道
尾瀬の代名詞とも言える「木道」について、以前の尾瀬では、登山者が自由に湿原の中を歩いていたそうです。まだ、環境保護とかの概念がなかった時代です。
この尾瀬の湿原は、泥炭が長い年月をかけて堆積して創られました。
もし、湿原に人が足を入れ、1センチ陥没した場合、その回復には10年以上の歳月が必要だそうです。
当時は、ぬかるみを歩きやすくする為、周辺の樹木を伐採し丸太を敷き詰めた木道でしたが、湿原の荒廃が進むと、湿原を守るために木道整備がすすめられ、現在では尾瀬全体の木道は総延長が約57kmにもなるそうです。
尾瀬ヶ原にはこのような池塘(ちとう)が数多く点在していて、透き通った水を留めています。
逆さ燧!!
風がなかったので、水面は鏡のようで「燧ヶ岳」がくっきり
尾瀬といえど夏の日差しはすでに強くて、少し歩くだけでジリジリと暑さを感じます。
前方には、燧ヶ岳がデーン!!
「牛首」の分岐に到着です。
物騒な地名ですが、牛の首のように山が湿原にせり出している場所があり「牛首」と呼ばれています。
比較的広いベンチがあり、多くの方が休憩を取っています。
「竜宮現象」と言う場所に来ました。
流れてきた川が一旦湿原の下に吸い込まれて伏流水となり、木道を隔てた反対側に湧き出しています。
この伏流水のトンネルが竜宮に通じているのではということでこの名前があります。
5、6月頃、雪解け水で増水した入口では渦を巻いて地中に流れ込む現象が見られるのだそうです。
この時期はなんの変哲もない水たまりでした ( ´Å`)
そうこうしているうちに「竜宮小屋」に到着。
日差しが強く、暑さでバテ気味になったので、しばし日陰で小休止です。
竜宮小屋を出ると、森の中を進みます。
水芭蕉はこの時期、巨大なロメインレタス化しています(笑)
木々が日差しを遮ってくれるので、ちょっと涼しい。
福島県と群馬県の県境
「竜宮沼尻川橋」は、ちょっと傾いていました。
見晴が見えてきた。もう一踏ん張り。
日差しがキツい。
見晴キャンプ場と雷雨
見晴キャンプ場は予約不要の先着順です。
水場の清水が柔らかに甘くて美味しいし、めっちゃきれいな水洗トイレが併設されていて快適です。
そばにある燧小屋さんが管理しており、一泊ひとり1,000円でした。(燧小屋の公式サイト)
テントを設営した後、散歩がてら「温泉小屋」に向かいました。
この先に、落差100m滝幅30mで日本最大級、かつ日本の滝百選の一つ「三条ノ滝」があるのです。
でも、今回は疲れることはしません。楽々ハイキングがテーマですから ( ´Å`)…。
テラスでレモネードを啜ってます。
この時期、やはり炭酸が一番!!
雷雲が近づいてきたので、急いでテント場に戻ります。
しばらく、雷雨が続いてました。
テントでお昼寝をしていたら、近くに雷が落ちたようで、爆弾が爆発したかの音で目が覚めました。
たくさんの山小屋が建ち並んでいますが、尾瀬小屋が一番盛り上がってたかな。
雨が降る前には、すごく賑わっていましたが、今は落ち着いています。
雷雨も収まり、尾瀬に静かな夕方が訪れます。
しばらく夕陽を眺めた後、テントに戻り夕食を食べて就寝しました。
さて、今回も星空を撮影しようと三脚を持参しましたが、キャンプ場はガスに包まれ、星など全くみることができませんでした…前回の燕岳に続き撃沈です。
毎回、三脚はザックに取り付けた重しと化してます ( ´Å`)
朝霧と白虹
朝霧に包まれた尾瀬ヶ原を歩きたく、テントを撤収して5時には出発しました。
ここのお水はおいしかった!
昨日の雷雨もあり、尾瀬ヶ原は霧に包まれ、そこに朝日が差し込んできて、幻想的な空間が広がっています。
ガーラガーラの尾瀬を歩く。
昨日とは違い、今日は「至仏山」を眺めながらの帰路となります。
今回の山行で見たかった自然の美です。
前方にうっすらと虹のようなものが見えてます。
すれ違った登山者の方が説明してくれましたが、、白い虹は年に数回ほどの貴重なシーンだとか。
白い虹そのものが初めての私なので、この説明をいただくまで「虹」と認識していませんでした。出会えたのは、かなりラッキーなことに違いありません。
白虹の発生条件は大まかに3つあるそうで
1. 夜明け前に濃い朝もやがでる
2. 太陽が登り、朝もやが晴れていく
3. 太陽を背にした方向に白虹が現れる
だそうです。
竜宮小屋でお会いした方は、大興奮でした(笑)
しかし、今回は11mmの超広角レンズを持ってきてよかった!!
虹のアーチを両端を収めようとすると、これくらい無いと厳しいです。
一本だけニョキっと生えていた白樺?
手を振ってくれているようだったので、その姿を撮影。
どこまでも続く木道はやはりいいなぁ。
脚光が神々しい。
アフリカのサバンナって感じたのは私だけでしょうか?
朝露に濡れて、イキイキした葉っぱ達がキラキラしていて綺麗でした。
日もだいぶ登ってきました。
振り返ると「燧ヶ岳」
今度は、ちゃんと登山しにこよう。
山の鼻に到着です。
目の前には「尾瀬ロッジ」が見えてきました。
ここからは、鳩待峠を目指して帰るだけ。
まとめ
尾瀬は標高が1500mほどにありますが、夏でも涼しく…とはいえず、日中は日差しが強く、かなり暑いです。
道は整備されていて標高差もあまりないので、歩きやすく、体力に自信がない人でも気軽に絶気を見ることできる素晴らしいところです。
尾瀬ヶ原周辺が特に絶景です。
小屋が充実しているので、小屋泊しても良いかも。
なんて思ったりもしますが、気軽に来れるところなので、お子様も多くいらっしゃっていたので、見晴のテント場や小屋などでは、保育園や小学校並みの賑やかさがありました。
なので、子供が苦手な私は、もっと高いところを目指したいと思っています。
とはいえ、それを差し引いても、素晴らしい場所でした。
次回は天候が良ければ、いよいよ双六岳・鷲羽岳に向かいます!!