久々の山行です。
2泊3日で常念岳から燕岳までの縦走を、お盆休みに行ってきた山行記事となります。
今回は「一の沢」から入山し「中房温泉」へ下山するルートで、じつは昨年も同じコースを歩いてましたが、その時の眺望がとても素晴らしかったのでリピートとなります。(その時の山行記事)
そして、今回計画したルートはこんな感じです。
Wheels up
山行前日、数日前にパッキングを済ませたバックパックを車に載せて、お盆休みの渋滞も考慮し20時に自宅を出発して中央道へ
上り車線はUターンラッシュで既に渋滞が発生しておりましたが、下り車線は普段より車の台数も多く感じる程度で出だしは順調。。。と思いきや、大月付近で想定外の渋滞発生。その影響からか談合坂サービスエリア内も人で溢れかえっており、久しぶりに賑やかでゴチャゴチャした人混みを堪能できました(笑)
甲府(山梨県)を過ぎた頃には渋滞も解消し、目的地の「穂高駐車場」には、思いの外時間がかかってしまいましたが0時頃に到着。
心配だった駐車場の空きスペースもまだまだ余裕のある状態で一安心。事前予約したタクシーが4時に来てくれるので、それまで車内で仮眠することに。
少し寝たあと準備を済ませタクシーを待っていましたが、約束の時間になっても、なかなか来ません。。。しばらくして、予約したタクシー会社に電話をすると、予約を受け付けてくれた方が時間を1時間まちがえていたらしく、「至急手配します!!」といって、30分後に無事タクシーに乗ることが出来ました。(今回、出だしからテンポが悪い)
一の沢登山口
登山口はうっすらと日が昇る程度で辺りはまだまだ薄暗く、これから入山される方々が支度をされていました。夏山シーズンって感じです。
こちらも支度を整え、ヘッデンを着けて出発!!
登山道入り口を出て、しばらくは平担なトレイルを進んで行きます。
このルートは、名前の通り沢沿いをずーっと登っていくルートで、時折、沢で冷やされた風が心地よく吹いてくれて、夏山の登山道といえど比較的快適に歩くことが出来ます。
登山道を先へと進んで来て見えてきたのが「山の神」。
とりあえず、道中の安全を祈っておきます。
ここから先は、徐々と勾配がついた道に変化します。また、足元は小石や岩があることが多く、雨や湿気などで岩が湿っている時、結構滑りやすくなっておりヒヤッとする場面がありました。
花は詳しくないので名前はわかりませんが、トレイルの脇には時折かわいらしいお花が多数咲いていました。
しばらくすると開けたところに出てきました。
山頂方向を見上げると…ガスがかかって白い。
事前の予報では「晴れ」テンクラAといっていたので、それを信じて進みます。
「菜の花」みたいな黄色いお花が、開けた場所で結構咲いていました。
やはり、夏山は高山植物がいっぱい咲いていて良いですね。
ここから渡河を何度か繰り返して登っていきます。
まだ、稜線が遥か遠くに。。。
胸突八丁というポイントに到着しました。
ここから、沢沿いの道を離れ、さらに険しい傾斜へと変り太ももをいじめ倒してくれます。(さー来い!!もっと乳酸をくれ)
このへんではもうヘトヘトで、撮影している余裕すらありません。(とりあえずスマホで撮影)
展望なしの樹林帯を進んでいると第1ベンチが登場。あと、、、800m。
この800mというのが、正しい距離を測定をされたのか?というくらい長く長く感じます。
つづら折りのトレイルを進み樹林帯ゾーンを抜けると、いよいよ北アルプスの稜線が近づいてきました。
常念乗越に到着!!
稜線に出ると、ガスが取れて穂高連峰が目の前に広がり、ディズニーランドのシンデレラ城のようなアイコン的存在である槍ヶ岳の勇姿が迎えてくれます。何度来ても、やはり北アルプスは良いです。
常念岳の方はガスが掛かっています。
とりあえず、受付を済ませてテントの設営します。
テントの設営後は、素晴らしい景色をボーッと眺めていました。
雲はあるものの、存分にその風景を味わうことが出来ました。
昼食を常念小屋でとったあと、テントの中でお昼寝をしていると、風でテントがバタバタとする音で目が冷めました。台風8号(メアリー)の影響なのか結構な強風です。稜線上のテント場は風の影響をもろに受けるので、テントにガイラインを追加してテントが飛ばされないようにします。
そうこうしていると時刻は18時、夕日が沈みかけで槍ヶ岳のシルエットが浮かび上がります。
こんな神々しい景色が見られるなんて最高&感謝です。
余談ですが、テント場にあるおトイレが新しくなっており、昨年来たときよりニオイが軽減された感じがします。また、トイレの前には手洗い場も設置され、衛生面も配慮がされているみたいです。
マジックアワーも終わり撮影を終えてテントに戻ると、そのまま深い眠りについてしまいます。この日は満月で雲も多く、星空は諦めてはいましたが、何度か目が冷めたとき、とりあえずテントから顔を出して確認してみましたが、、、やはりダメでした。
また、風の方はだんだん強くなってきて、一晩中テントがバッサバッサと音を立てて左右に激しく揺れていましたが、目が冷めたときに外に出てペクの状態だけ確認して、再び寝袋に潜り込んで熟睡しました。以前、これ以上の強風と大雨をこのテントで経験しているので信頼しています。
2日目
朝4時頃に目が冷めてテントの外に出ると、安曇野市方面が薄っすらと明るくなってきています。空には結構多く雲がかかってはいましたが、もしかしたら朝焼けが期待できるかもと、三脚とカメラを手に取り、強風が吹き付けるなか日が昇るのを待つことに。
しばらくすると、横通岳から太陽が登って来たので、撮影したのがこちら。
その後は、雲に覆われゴールデンアワー終了です。
テントに戻り、コーヒーを飲んだりしながら天気予報をスマホで確認(常念小屋は電波が入ります!!)すると、思っていたより天気は下り坂になるようで、このあと雨となり夕方には収まるとのことではありますが、翌日は雨が再び降り始め荒れるような感じです。
強風と雨のなか大天荘のテント場まで移動して、翌日も雨のなか燕岳を経由して中房温泉までの移動となると、またったく眺望のない稜線を2日間歩くことになります。軽く雨が降るくらいならまだ良いのですが、この強風までセットとなると、稜線上では事故や怪我のリスクもあるので、非常に残念ではありますが、このまま下山することにしました。
朝食を済ませ、来るとき送迎してくれたタクシー会社に連絡し、下山の時刻を伝えて予約を入れました。すると、予報通り雨が降り始めてきました。時折強く降ったりしてましたが、弱まる頃合いを見計らってテントをパパッと撤収します。こんなときワンポールシェルターは撤収作業も早く行えとても便利です。
テントの撤収を済ませ、名残惜しさ全開でポーズを決めて記念撮影。(メアリーのばかぁ)
雨が降る中の下山は、滑ったりして怪我の恐れがあるので、慎重に進んでいきます。
だいぶ下まで下ってくると雨も風も収まり、逆に蒸し暑さ全開です。
途中、八ヶ岳の苔に負けないくらい、青々と茂った苔の群れを発見。
けっこう、苔好き
タクシーの予約時間を気にしながら、わっせわっせと下り、大汗をかきながら一の沢登山口に到着。
別の方が予約されたタクシーが数台待機されていましたが、予約したタクシー会社の車両は見当たらず。。。ここの登山口は携帯の電波が届かない場所で確認も取れない状況がつづき、30分くらい待っていたところ、待機されていたタクシーの運転者の方に「相乗り」のお声がけいただくも、予約したタクシーが入れ違いになってしまった場合を考え、とりあえず、電波の届くところまで歩いて下山することにします。
2kmくらい下ると携帯の電波が届くになったので、タクシー会社に電話をすると、予約リストに記載されていないことが判明。。。それでは、待てど暮らせど迎えが来ないわけです。「至急、向かいます!!」と伝えられ、林道の片隅で腰を下ろし待つことに。行きも時間を間違え、帰りは予約がされていない。。。って、受付のおばちゃん(若かったらごめんなさい)大丈夫かい?
で、きっちり20分後にお迎えのタクシーが到着!!
なんで登山口から離れた場所にいるのかとドライバーの方に聞かれ、事情を話すと本当に申し訳無さそうに謝罪をいただき、とても恐縮してしまいました。(ドライバーさんは悪くないです。受付のおばちゃんがボケなだけです。)
終わりに
全開の南八ヶ岳から2ヶ月ぶりの登山で、しかもテント泊装備はけっこう疲れましたが、今回は少しずつ軽量化を進めた結果15kgと軽く(昨年は20kg超)抑えられたのもあって、登山においての「軽さは正義」を実感しました。
手っ取り早くお金の力を借りて道具を軽くすることもありますが、何よりも「使わないものは持たない」が重要なポイントとなるかと思います。とはいえ、なんでもかんでも持たないのは山ではリスクもありますので、必要なものとそうでないものを判断するのは大切です。正しく言うなら「なくても困らないものは持たない」ですかね。
当初2泊3日で常念山脈を縦走する予定でしたが、結局、常念小屋でのテント泊のみとなってしまいました。台風(メアリー)の影響は太平洋側の沿岸部や上陸予定の関東だけだろうと淡い期待を抱いて突撃をしてみましたが、予想以上に内陸にも影響が出てしまい、強風&雨のなかの山行はリスクも大きくあったため、今回は1日で下山することにしました。
ちょっと残念ではありましたが、何よりも怪我なく下山できたことが満点ではないでしょうか。
タクシーの予約問題について、これだけは不可抗力といいましょうか、防ぎようがありません。次回は別の会社にお願いすることにします。
さて、9月の終わりに双六岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳を予定しており、その前にトレーニングも兼ねてどこかに登りたいと考えています。