- Review -
LOWA Zephyr GTX Mid TF
ハイキング用の靴を新調しました。
LowaのZephyr GTX Mid TF です。
今まで履いてきた靴の話も交えつつご紹介します。
総合評価: 78
ハイキングシューズとして、LOWA Zehpyr GTX Mid TFを購入しました。このブーツは間違いなく、今まで所有した中で最も快適なブーツです。履いたらすぐに、フィールドへ行く準備ができていることがわかります。
見た目の無骨さからは想像できないほど、軽快で軽やかな歩行ができます。足に羽根をつけて歩けるといえば大袈裟かもしれませんが、どこまでも歩いて行けそうな気分にさせてくれます。
前回、Vasque Breeze LT GTXのレビューを書いてから一年。
結構気に入っていたんですが、踵のところのソールが減ってしまい、買い替えの時期となってしまいました。
この靴では、北アルプスも縦走したし、日帰りの低山ハイキングはもとより、トレーニングコースの高尾山なんかは、数えきれないほど登ったりしました。そこら辺は、前回のレビューでも紹介しておりますので、お時間があったら読んでみてください。
また、ゴアテックスの靴なので、普段雨降りの重宝しました。登山靴のようにゴツゴツしたデザインでもないので、街でも違和感なく使用できました。
とにかくトレランシューズ並みに軽く(片足377g: メーカー表示)、履いていることを忘れるかのようなフィット感が、とても気に入っていたところではありますが、この度、買い替えることなく、別メーカーの靴を選ぶ事となりましたのは、この後説明していきます。
買い換えの理由
そんなわけで、基本的には当初は大きな不満というものはありませんでした。
軽量化につきまとうのが耐久性で、どこかを犠牲にしなければ軽量化は得られません。その点Vasque Breeze LT GTXは、見た目以上に比較的しっかりとした靴なので、防水性やソール部のグリップも良好、ソールの減り以外には破れたりといった破損はありませんでした。
靴にも賞味期限のようなものがあるのでしょうか?
新品で下ろしたての頃は、軽さの上にバネがついているかのように、蹴り足を推進力に変えてくれる反発力のあるソールで、歩行をサポートしてくれる感じがしてました。それが、だんだんと失われてしまい、いつしか普通の靴にとなってしまいました。
賞味期限が一年で切れてしまうのは早すぎです。
ハイキングシューズを毎年買い替えるのは、ちょっとお財布に優しくありません。
で、今回はこのVasqueのシューズを買うときに候補となっていた、LowaのZephyr GTX Mid TFを導入してみました。
LowaのZephyr GTX Mid TF について
私の家には格言というか家訓みたいなものがありまして、
それは「靴は良いものを買え」です。
なので、社会人になってから自分で靴を買うようになってからは、いつも自分の買える範囲の中でいいモノを履いてきました。
どんな製品でも、実はデザインの差によって、そこまで価格の違いはありませんが、最も価格の違いに影響するのが素材の質です。素材の質は靴の見た目はもちろん変化しますが、靴の寿命は断然ちがいます。
20代の時に購入したレッドウィングのアイリッシュセッターは、何度もソールを貼り替えてますが、いまだに現役で活躍しています。
「安物買いの銭失い」なんて言葉が昔からありますが、本当にいい靴というのは手入れさえキチンとしていれば長く使えるので、十分その価値はあると思います。安い靴を買ってすぐに捨てる。。。を繰り返すよりも、先行投資と思っていい靴を買うほうがよっぽど経済的ではないかと。
また、LOWA社では、「製品が長持ちすればするほど、環境に配慮していることになる」という1つの原則のもとにビジネスを展開していることからも製品の信頼性を伺うことができ、高い靴は長持ちして、経済的にも環境面でも優しいということが言えます。
ということでここからは購入した靴について。
新しい登山靴は、ワクワクしますね。
では改めて…購入したのはLowaの「Zephyr GTX Mid TF」です。
色はベージュ(Desert)、タン(Tan)、グレー(Steel Blue)、モスグリーン(RANGER GREEN)、ブラック(Black)の5色があり、今回購入したのは後者のDesertです。
LOWA社はドイツで100年の歴史を持つ、ハイキングやトレッキングシューズを生産するメーカーで、日本ではイワタニ・プリムスがデストリビューターとなっています。
イワタニといえば、言わずと知れたカセットボンベで有名ですが、Nemoやトランギア、ドイツのザックメーカーのドイターなど、有名どころのアウトドアブランドを取り扱っています。
話を戻して、LOWA
「”完璧を目指す”という職人気質はドイツのバイエルン地方で創業した当時から変わることなく受け継がれています。ローバーの掲げる”完璧を目指す”とは高い品質を保つことだけではなく革新的な機能を取り入れ、常に進化を続けること。これからも山を愛する人々と共にローバーは歩み続けます」
ゲルマン民族の魂の声が聞こえてきそうなキャッチコピーです。
2008年以来、アウトドアシューズメーカーとして唯一、品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO 9001のステータスを授与された世界で唯一のブランドで、毎年外部監査を受けています。この認証は、LOWAの工程手順が明確かつ透明性をもって定義されていることを証明するものです。
そんなLOWA社が手掛ける靴は、山あり谷ありの地形を、快適に歩くことができる靴として、特にアウトドアアクティビティを愛するユーザーからの評価が高く、「Alpine」「Trekking」「Taskfoce」のラインナップがあり、今回のZephyr GTX Mid TFは「Taskforce」に分類されます。
Taskforce→TFラインは、LOWA社のアウトドアで培った技術を、ヘビーな環境での使用が想定される軍や法執行機関向けの靴の開発にも取り入れ、その堅牢さから、ヨーロッパの特殊部隊や民間警備会社の従事する人に人気のモデルとなっています。
Simply moreに込める品質への想い
1923年の創業以来、ローバーはドイツ・バーバリア地方のイェッツェンドルフという小さな街に根をおろし、伝統と品質を重んじて靴づくりを続けています。
ローバーのブランドロゴに記載されている “Simply more“は、ローバーの品質に対する姿勢を表しています。それは、アウトドアスポーツへの情熱と共に、最新の技術と機能的な素材を結びつけ、質の高い靴づくりを純粋に追い求めていくことです。さらに、本当に大切なことは、ローバーブーツの持つ高い品質をユーザーに実感してもらうことだと考えています。
出典: LOWA 日本公式ページより
外観について
LOWAは質の高い職人技で知られており、Zephyr GTX Midのクォリティーは、見た目からも期待できます。
まず初めに、ブーツのアッパーには、通気性のためにコーデュラナイロンで作られていて、つま先キャップ、ヒールカウンター、内側と外側のクォーター、およびブーツバンプの両側に沿って魅力的なデザインパターンで重ねられた高品質のスエードレザーがトッピングされています。ヒールタブ、ブーツカラー、クォーターは足首を超えて伸び、足首を囲む厚いフォームパッドがカプセル化していて、快適さとサポートを提供してくれます。
ゴアテックスなので、防水性能は不安なし。
ブーツライニングは、優れた通気性と耐候性保護のためにGORE-TEX®技術を使用しています。2層のライニング素材がGORE-TEX膜に接着され、通気性を維持しながら履物を断熱して防水性に保ちます。
靴の側面は「STABILITY FRAME」と呼ばれる特徴的な山の形をしたラバーがサイドに入っていて、横方向からの高い安定性を確保してるとのこと。
また、この後記載しますが、このフレームが足を包み込むかのようなフィット感にも貢献しているのかもしれません。
シューは太めの丸型で滑らか。
普通の蝶々結びだけでは解けやすいかもしれませんので、この手の丸型シューを結ぶときは二重に結んでます。
ソールは適度な量の屈曲しています。
このカーブが歩行の快適さに貢献しているのかもしれません。
また、ソールは天然ゴムのような色をした素材で、LOWA社オリジナルのソールが使われています。実際、この記事を書く前、いくつかの日帰り山行で使用してみました。昔の運動靴に貼ってあった生ゴムのようなソールから、それほど期待はしていませんでしたが、LOWA独自のアウトソールは、過去に使用したVibramまたはContagripアウトソールよりも優れいたことに少し驚かされました。ヌカルんだ泥道、小石でザレた下り坂などでのトラクションは、Zephyr GTX Midの明確な強みとなっています。
雨上がりのトレイルで、滑りやすく濡れた木の根などスリッピーな場面でも、氷の上のペンギンのように滑ったりすることがなかったのは、生ゴムのような素材と特徴的なトレッドパターンのおかげかもしれません。
あと、街中のタイルのようなツルツルした廊下などを歩くと、”キュッキュ、キュッキュ”とゴムの音がします。
特殊部隊の人が使うと聞いていますが、忍び込む時にこんな音が鳴っていたら、敵に見つかってしまわないのか心配になります。
履き心地について、2回ほど使用してみた感想
ハイキングを始めて4年となり、これまで5足のハイキングブーツを履いてきましたが、Lowa Zephyrは間違いなく、今まで所有した中で最も快適なブーツです。履いたらすぐに、フィールドへ行く準備ができていることがわかります。
まず、部屋の中で試し履きした瞬間から、素晴らしいフィット感が体験できます!
幅広に感じたブーツでしたが、丁寧に靴紐を結んでいくと、靴を履いているのか分からなくなるくらいの心地よさを得ることができます。今まで色々なブーツを履いてきましたが、これは異次元の感覚ともいえます。
歩き始め、クッション性は少なく多少ゴツゴツと路面を感じることはありますが、しばらくすると慣れてきます。
岩場なども少しだけ歩きましたが、変な突き上げもなく快適でした。
見た目の無骨さからは想像できないほど、軽快で軽やかな歩行ができます。足に羽根をつけて歩けるといえば大袈裟かもしれませんが、どこまでも歩いて行けそうな気分にさせてくれます。
靴の中で足が動くことなく、思った通りの足捌きが可能で、Zehpyrは一日中着用しても十分快適でした。
ここで考え方を改めさせられましたが、靴の重量に歩行時の軽快感は左右されないということです。実際、今まで履いていた Vasque Breeze LT GTX の重量が片足377gなのに対して、Zehpyrの重量は560gです。これだけの違いがあるにも関わらず、歩いた時の軽さはZehpyrの方が優れていると感じました。
まとめ
アウトドア市場では過小評価されているミッドブーツの1つかもしれません。世界中の戦術的なオペレーターには絶大な人気を博していますが、バックパッキングやアウトドア、特にハイキングシューズとして焦点を当てたコミュニティではあまり知られていません。一部の人にとっては「tactical」要素の強すぎる印象を与えてしまっているのは事実です。
LOWA社が元々、砂漠用のコンバットブーツとして英国特殊部隊SASに依頼され設計しました。軍事的な目的のため開発されたものにもかかわらず、山を知り尽くしたメーカーのDNAを持っており、ハイキングにおいて、その性能を遺憾なく発揮してくれ、今のところ、どのようなトレイルのシチュエーションでも不満はありません。
では、なぜハイキングにハイキングブーツを素直に選択しないのか?
それは、ハイキングブーツは派手な配色であったり、ブランドロゴがデカデカと表現されていたりと、年寄りにはちょっと辛いデザインが多いのが理由です。そして、何よりもアースカラーが好き!!
とりあえず、良い買い物ができたと満足しています。
ということで今回も長くなりましたが、新しい登山靴「Zephyr GTX Mid」のプチレビューでした。
色々と書いてはありますが、まだ縦走などで履いてみたわけではないので、この後色々と思うこともあるかもしれません。その際は、またこのブログでご報告できればと考えています。
今回購入したもの