さて、前回は「カメラのアップデート」と題して、のらりくらりと書かせてもらいましたが、結論から言いますと、「ZEISS」(ツァイス)レンズ Sonnar E24mmF1.8ZA を入手しました。2011年にソニーからAPS-C用レンズとして発売されたレンズで、かれこれ10年以上前のレンズとなります。
Eマウント用としては初となるカールツァイスブランドの広角単焦点レンズで、画角はフルサイズに換算して焦点距離約36mm相当となるので、前回の記事で述べたたように登山などの風景写真の撮影において、使いやすい画角であることは間違いないでしょう。
空気までも写すレンズ
昔、京セラのCONTAX G2というフィルムカメラを所有していましたが、そのときZEISS(ツァイス)の「Planar」(プラナー)と呼ばれるレンズが付いていて、そのレンズが「空気までも写すレンズ」と言われていました。(ライカもそうですが、ドイツ人ってレンズにまで名前をつけるところが、工業製品に対する誇りが感じさせられます。)実際にそう呼ばれていたのは、1970年代の「Carl Zeiss Planar 50mm F1.4」というレンズにつけられた愛称で、プラナーというのは、パウル・ルドルフが1897年に発明したカール・ツァイスの写真レンズで、そのレンズ構成をしていれば、時代が違えど「プラナー」と名付けられます。ちなみに、ZEISSレンズには、テッサー(Tessar)、ディスタゴン(Distagon)、ホロゴン(Hologon)といった色々な名前(レンズ構成)があり、今回手に入れた「ゾナー」(Sonnar)は、1927年に発明されたプラナーよりも古く歴史のあるレンズです。
京セラコンタックスのZEISSレンズを使ってみた感想といえば、ツァイスレンズを形容する「驚きの描写性」というよりも、光のあたったところが「フワッ」とした感じで、優しい写りが印象的でした。とはいえ、当時は全くカメラなどに詳しくなく(今でも)、それくらいの感覚的な感想しか持ち合わせていませんが、当時デザインのいろはを教えてくれた師匠がクラシックカメラ好きということもあって、その影響でコンタックスやライカ至上主義みたいなマインドが植え付けられ、なんとなく良いだろうって使ってたのが正直なところです。
しかし、ZEISSバッチがカッコいい!!
そういえば、使用していたRX100MK3も「Vario-Sonnar」でしたね。Varioは、ズームレンズにつけられています。やはり、男という生き物は、ノスタルジー的なものにロマンを感じてしまうのでしょうか? 京セラCONTAXの時代から縁があり、数あるメーカーの中から、またもやZEISSレンズを選んでしまうとは、もしかしたら、「以前よかったから、間違いない」みたいな、けっこう保守的な性格なのかもしれません。
レンズのボディーはアルミニウム合金製で、凄く質感の高い作りで、手にとって見ると高級感が伝わってきます。また、フォーカスリングのローレットの仕上がりは、工作精度の高さを感じさせられ、回転は非常に滑らかで、思ったところに確実に止ってくれます。レビューでは、このフォーカスリングが動きが軽すぎると言われていますが、コンパクトカメラに装着して使用する分には、これくらいが丁度良いかと思います。
フォーカスリングが金属製で高級感がある
で、カメラ本体はどうしたかというと、某オークションサイトで程度の良いソニーのα6300が出てたので落札してみました。お試しという事なら手を出しやすい割にコストパフォーマンスが良いと評判のα6000なら、もっと安い価格で出品されてはいましたが、α6300の方はマグネシウムボディーの防塵防滴仕様だったので、それが決め手になりました。登山に持ち出すのには必要な仕様だと思います。また、現行モデルのα6600も凄く魅力的で惹かれていたのですが、カメラ本体の価格が高い!!お試しで手を出せる価格ではないので、とりあえず中古のボディーで使ってみて気に入れば、いずれ最新機種に乗り換えようと考えます。
RX100と比較して
WEBやSNSに投稿する画質であれば、コンデジもミラーレスもどちらで撮影しても大差ないかと思います。パンフォーカスした写真であればな尚更です。しかし、ボケを活かした表現には、やはりaps-cセンサー以上のレンズ交換式一眼カメラが有利となります。届いたカメラとレンズで何気なく撮影した写真ですが、いい感じに背景がボケてくれますね。(うん、これこれ)背景ぼかしたりも、Photoshopなどで自然な感じに加工は出来ますが、やはり元画像でボケてくれたほうが綺麗ですね。
今回α6300を手にとって見て何が良かったかというと、RX100シリーズよりボタンなど操作部が大きく操作がしやすくなった事と液晶画面が大きくなって見やすくなったことです。(とはいえ、日中の野外では大きくても見えないから一緒かな)
マニュアルでピント合わせが楽になった
RX100MK3は、そのコンセプトや性能も申し分なく愛用しています。しかし、唯一のストレスがピント合わせにあります。一つだけ誤解のないように言いますが、このカメラのAFはすごく優秀です。電源を入れて構えてシャッターボタンを半押しするだけで、バシッとピントが合います。しかし、時には手前の被写体の一部にピントを合わせたいなぁってとき、オートフォーカスだとなかなか合わせてくれない場面があります。カメラにはマニュアルでピント合わせをする機能も備わっているのですが、ちょっと使いにくい。万人にとって使いやすくするための自動化が、かえって不便になることがあるということです。
その点、今回のレンズにはフォーカスリングも付いているので、ピント合わせも楽に行えるようになりました。実際に多用するのかと効かれれば、カメラ自体のAFがすごく優秀なので出番は少ないと思いますが、あると嬉しい機能だと言えます。また、α6300には「ピント拡大」という機能があり、これをシャッターボタン横にある「C1」ボタンにカスタムで設定しておくと、ピント合わせの際にボタンを押して画面を拡大出来るので、より精密にピント合わせができるのでとても便利です。(老眼にはありがたい。)
型落ちとはいえ、十分満足できる性能!
でも、一点だけRX100シリーズと比べてバッテリーの持ちが断然悪くなって事。ミラーレスの宿命といいますか、消費電力が大きいのにコンパクトさを優先したためかバッテリーサイズが小さいので、パシャパシャ撮影していると静止画の写真だけでも1日持つかどうかといった感じ。RX100の場合、いつ充電したかも忘れてしまうくらいバッテリーの持ちが良いので、たまに充電をし忘れて持ち出してしまうときもありました。(α6600は、この問題もバッテリーを大きくして解決しているようです)
とりあえず、型落ちのカメラではありますが、カメラのアップデートは完了しました。カメラとしての性能面にも不満なく、大変コスパも良いので現時点でとても満足しています。ZEISSレンズをつけてハイキング撮影を楽しんでいきたいと思います。
先日、赤岳鉱泉テント泊に持ち出して撮影
つぎは、稜線に出たときなどでパノラマに撮影する超広角も欲しくなるのかな。
これ良いなぁって思ってます。レンズフードとレンズボディーを曲線で結ぶ一体感がとても芸術的で、光学機器とも思えない美しさがあります。(こうしてレンズ沼にハマっていく。。。)