これからの冬山シーズにに備え、以前から気になっていたノルウェー発メリノウール専門ブランド【ACLIMA / アクリマ】のホットウール・ポロを購入してみました。毎年一番売れているらしく、フルマークやグリップスのオンラインショップなどでは気がつくと売り切れとなっています。
ACLIMAは1922年にノルウェーで発足し繊維業界をリードしてきました。現在でもノルウェー国内で製造する数少ないブランドです。現在はエストニアに自社工場を所有していますが、全てノルウェー本社にて品質管理を行い、ノルウェー軍はもとよりNATO加盟国軍で着用されるなど、ウールウェアはその高い品質、保温性や清潔感、機能性がヨーロッパで評価されています。また、消防士が着用できる燃えにくいウールの開発なども行い、近年アウトドアで必要とされているウールを更に使いやすくするために、日々研究を重ねウール素材の良さを最大限引き出す努力を惜しみません
ー出典: FULLMARKー
皆さんはベースレイヤーにどれくらいお金をかけているだろうか?
冬用のウェアーはどれも高額なので、予算の削れるところは目に見えない部分であるインナー(ベースレイヤー)となってしまっていませんか。しかし、いちばん大事なところがベースレイヤーの存在といえます。登山を始めた当初、「下着に1万円!!」とびっくりしていたものですが、実際着てみると本当に快適であるとともに、良いものは長持ちするので、結果的にコストパフォマンスは高いかと思います。
メリノウールには絶大の信頼を置いています。夏場でも標高の高い稜線を歩くシチュエーションでは、ベースに薄手のメリノウール製のシャツを着ています。化学繊維だと汗で濡れると結構寒いのですが、メリノウール素材は濡れても保温力が下がりにくいため、山での汗冷えが防げるのが一番のメリットとなります。
また、化繊は汗で濡れて乾いたあと、けっこう臭う場合があります。山でも街なかでも「臭いオヤジ」は一番嫌われます!!
その点、メリノウールは抗菌防臭性があり臭うことなく嫌われることはありません。
素材
「メリノウール」は、優れた保温力とその天然の繊維構造から生まれる吸湿性と発散性によりいつもドライで快適な着心地を産み出し、汗冷えしにくく & 防臭・抗菌性すらも併せ持つ事で、発汗量の多い登山はじめ、あらゆるアウトドアアクティビティに最適な素材といえます。
そして、このHOTWOOLシリーズは、過酷な環境での耐久性を高めたメリノウールとポリエステル/ポリアミド混合素材(20.5 マイクロン混紡繊維)を使用しています。素材内側のループ構造のインナーは、より大量の空気滞留保温層を作り出すことができます。素材は「65% メリノウール、20% ポリエステル、 15% ポリアミド」となっており、ウール繊維の特徴を生かしつつ、混紡によって太く強い繊維を作り出すことで耐久性も高めているとのこと。
その品質面における圧倒的な信頼性は、アウトドア・フィールドのみならず、ヨーロッパ各国、NATO軍におけるベースレイヤーに採用されており、難燃性ウールを開発してヨーロッパ各国の警察、消防、工場のワークアンダーウェアに採用されるなど、商用プロダクツ以外の製品開発も数多く行っていると、メーカーのWebサイトで説明されています。
デザイン
こちらのモデルは男女兼用のユニセックスサイズになっているのでサイズ感はタイト目です。177㎝75㎏体型でジャスト目に着用の場合はサイズ「M」。着丈長目で薄手のスウェット的な着こなしをしたい場合は「L」サイズが良いかと思います。
HOTWOOLシリーズは「Polo」襟付きと「Crew Neck」襟なしの2デザインあり、このPoloの襟は長く、ファスナーを上まで上げると口元を覆ってくれるので、簡易的なバラクラバ的な使い方もできる。また、上からバラクラバやネックウォーマーを着用した場合でも、首元の隙間をなくし保温力を高めてくれる。
袖口はリブになっていているので、冬の冷たい外気を遮断してくれるのと、多少袖丈が長くてもダボつかない。
裾も袖と同様に適度な締めつけでフィットして外気を遮断してくれるのと、丈が長めなデザインのため、かがんだときでも背中が出ることはない。
ベースレイヤーとして
一見セカンドレイヤーの様にも見えますが、れっきとしたファーストレイヤーのカテゴリー。このHOTWOOLはアクリマベースレイヤーで最も保温力を重視したシリーズで、単位面積当たりの生地重量、繊維の太さも分厚く・太いモノを使用しています。
雪山登山のレイヤリングで結構悩んでいる人は多いと思います。暑かったり、寒かったり、蒸れたり。。。
汗濡れを嫌い化繊のベースレイヤーを選択する方もいると思いますが、夏には乾きのよい化繊が最適ですが、冬に使うと乾きが良い分、気化熱でけっこう寒いです。以前、アンダーアーマーのコンプレッション系ベースレイヤーを真冬に着たとき、上にどんなに着込んでも、気化熱でどんどん体温が奪われ辛い思いをしました。その点、メリノは化繊よりもゆっくりと乾くので、汗で多少濡れていて風に吹かれても、化繊ほど寒くなく、適切な温度をキープしてくれます。
寒いからと言って何枚も着込んでしまうと、汗の放出がうまく出来ずに蒸れてしまい、汗冷えの原因となってしまいます。冬の登山において重要な点は、肌をできるだけ濡らず乾いた状態にすることです。このことは無雪期の登山においても大切なことですが、冬季の場合は低体温症・凍傷のリスクが高まるのでより一層重要になります。
夏山でも雪山でも、基本は3レイヤーとしています。気温が低ければ、ベースレイヤーとミドルレイヤーの保温力が良いもので調整します。「温度調整が容易で汗をかき難くし、汗をかいても肌からすぐに汗を吸い上げ、肌冷えを起こさない」そんなレイヤリングが理想となりますが、これだけは個人個人で体温や発汗の仕方も違うので、実際に経験しながらトライアンドエラーを重ねていくしかありません。
ミドルレイヤーについても、こちらで
まとめ
混紡によって太く強い繊維を作り出すことで、メリノウールの唯一の弱点ともいえる縮れによる穴あきなども起き難く耐久性をしっかり高めてくれているが、毛玉の出来については、今後使用して経過を見てみたいと思います。
また大量の空気滞留保温層を作り出すループ構造の裏地となっておりますので、真冬の登山でもこれは安心ですね!