You can enable/disable right clicking from Theme Options and customize this message too.
logo

【レビュー】日本人なら、山でも炊きたてご飯 (不思議なめし袋)

不思議なめし袋

登山のテント泊時に「美味しいお米」が食べたい!!

日本人ならそのように思う方も多いのではないでしょうか?
私は無類のお米好きで、炊きたてのご飯さえあればおかずは無くてもお味噌汁さえあれば大丈夫。カレーライスも、ライス多めでルーは少なめと言えるほど、お米を愛しております。

日本におけるフランス料理の発展にも貢献し、帝国ホテル初代総料理長の村上信夫 氏がある対談で、「何があろうとご飯、味噌汁、漬け物があれば文句なし。ただぜいたくいえば、温かいご飯があれば……」といっておりましたが、日本人が食で行き着くところとなるのは、やはり原点とも言える「お米」ではないかと思います。

人類が農耕を始めると、糖質を多く含むさまざまな穀物を育て始めましたが、その中でも我々日本人の祖先が選んだのが、「お米」となります。日本人がお米を食べるようになったのは約3,000年前、縄文時代後期に大陸から稲作が伝わっていたことが分かっています。そして、奈良時代から鎌倉時代にかけて稲作は日本中に広まっていき、栄養価が高く生産性に優れ、長期間の保存に耐えることから、お米を基本通貨「税」として納めるという社会が始まりました。この頃から、資産として価値のあるお米が取れる農地は、その所有権を巡る権力争いが起き、米の争奮戦は、そのまま日本の歴史となり、農地(領土)のうばい合いを繰り返す時代が続きました。

日本人の主食となったお米には非常に優れたパワーが秘められています。その多くはデンプンから形成され、私たちの最も重要なエネルギー(糖質)となります。さらにタンパク質や健康に欠かせない必須アミノ酸もすべて含まれているのが、お米ならではの特徴となります。ちょっと意外なのがお米には「食物繊維」も含まれていて、実は日本人は食物繊維を主食のご飯から一番多く摂っています。また、ほかにもビタミンやミネラルなど、人間の体に必要な栄養素が詰まっている優れた栄養食ともいえます。

そのような栄養価が高く保存の効くお米は、ハードな山行を行う上で、とても理想的な食ではないかと思います。しかし、その調理法である「炊く」という行為が、疲れた身体で行うのは一苦労となります。そこで、登場するのが「アルファ米」。アルファ米とは、一度炊いたお米を乾燥させたもので、調理法は簡単で、お湯や水を加えるだけで食べられるようになります。最近はいろいろな種類が販売されていますが、みなさん、食べたことはありますでしょうか? 携帯性や利便性といった非常食としては、とても優れた存在ではありますが、どうも、あの臭いとアルファ米独特のパサつきが苦手で、最初の頃は色々な種類を試したり、汁物をかけて食べたりしましたが、やはり、山でも「炊きたての美味しいお米が食べたい」との欲求は捨てることが出来ませんでした。

そこで、最初に行ったのが、メスティン炊飯です。固形燃料を使った「ほったらかし炊飯」なる技もあり、30分くらいで手軽にふっくら炊きたてご飯が味わえますが、ここで最大のデメリットがあります。メスティンに限らずクッカーを使った炊飯では、どうしても沸騰したときに吹きこぼれが発生し炊き汁が飛び散ってしまいます。野外なら気になりませんが、悪天候時に炊飯をテント内で行うとなると、養生のため敷物を敷いて準備をしたり、ガスストーブを使用した場合は、その吹きこぼれで汚れてしまったりで、後片付けが結構面倒になります。

当初はそれも「炊きたてご飯」のためと思い我慢していましたが、ある時、アウトドア用品店で良いものを発見しました。

それが、「不思議なめし袋」です。

「不思議なめし袋」は、キャンプ用品のメーカーとして有名なUNIFLAME(ユニフレーム)から発売されているもので、専用袋(不織布)にお米を入れ、沸騰したお湯に20~30分入れておくだけでご飯が炊ける優れものです。

炊くのではなく、袋に入れたお米を「煮る」ので、クッカー炊飯のように吹きこぼれが無いということ。それに、煮込むことで米から「ぬか」が排出され、袋が「ぬか」の逆流を防いでくれる仕組みとなっており、米を研がないで炊けるで、山で使うにはとても便利なアイテムです。

クッカーに水を入れて沸騰させます。そこに「めし袋」を突っ込み、20~30分煮込むだけとなります。また、煮込んでいる途中で水が足りなくなったら、適当に足してもOKとのこと。このへんは、水量調節や火加減を要求される炊飯よりも簡単です。

煮込みが終わったら、「めし袋」をクッカーから取り出し、残った茹で汁はカップなどに移してインスタント味噌汁やスープなどに使用します。そして、取り出した「めし袋」は蓋をして蒸らします。

これで完成!!

めし袋での炊飯(煮飯?)は、流石に家庭での炊飯と全く同じとまではいきませんが、思っていた以上に普通に炊けます。

ちゃんとご飯の甘みもあるし、芯残りもありません。特に標高の高い場所での炊飯は、気圧の関係で沸点が低くなることから、慣れないと芯が残ったご飯になってしまったりして、むしろアルファ米のほうが美味しかったなんてこともありますが、この「不思議なめし袋」を使えば、火加減・水加減など関係無しで、失敗なくおいしくご飯が山でいただけます。

これからは、山での炊飯はこれで決まりです♪



Leave a comment