Wheels up
はじめに
4ヶ月前に注文した、Locus Gear Hapi 用のインナーテントが届いたので、試し張りも兼ねて、緩い一泊二日のテント泊登山を計画。
2021年11月7〜8日にかけて、奥秩父の笠取山に行ってきた模様をご紹介します。
笠取山は都内からも日帰りで登れる山で、山梨県と埼玉県の県境に位置する山です。また、荒川、富士川、多摩川の分水嶺があったり、日本三大峠の雁坂峠(かりさかとうげ)があったりと、なかなか見どころ満載の山です。
他の登山者とすれ違うことは殆ど無く、静かな山歩きを満喫できました。
行程
道の駅みとみ→雁坂峠→水晶山→古礼山→燕山→笠取山→笠取小屋(テント泊)→道の駅みとみ
今回は、「道の駅みとみ」に車をデポし、雁坂峠からグルっとプチ縦走して廻る周回ルートで挑みます。
「道の駅みとな」に到着すると、赤や黄色に染まった山々が見えます。身支度を整え登山道入り口を目指しますが、ちょっと分かりにくくプチ迷子に。
スマホのYAMAPアプリで地図を確認しながらルートに戻ります。
登山口からは、舗装された林道がしばらく続きます。
林道脇の紅葉がとても綺麗です。
林道が終わり本格的登山道が始まると、ところどころ道幅の狭いトレイルを進むことになります。
この日、唯一お会いした登山者パーティーの方と挨拶します。
「この先、雁坂峠は笹薮が広がる絶景が見れますよ!!」
このお話をいただき、ちょっと気合が入ります。
「お気をつけて」
そして、しばらくすると沢沿いの道に出ます。
途中なん箇所か、渡河する場面もあり、今回は水が少ないから大した事はありませんでしたが、水量が多いときは苦労するのかな?
道は沢を外れ、峠に向ってつづら折れになったトレイルを上昇します。これが意外とキツイ。
上を見ると空が見えるのでそろそろ雁坂峠かなと思いますが、実際はまだまだ先。。。というのを何度も繰り返えします。
途中、斜面が崩れた場所もありましたが、気をつけて進みます。
この日のハイライトとなるのが雁坂峠(かりさかとうげ)です。つづら折れの急登を登り峠に出ると、思わず「おお!!」と声が出るくらいきれいな笹薮の稜線が続きます。
その雁坂峠ですが、歴史の古い事がわかる説明書きの看板があります。
雁坂峠
雁坂峠は日本三大峠と呼ばれ、はるか昔の縄文時代から利用されていた峠道で、現在は国道140号線の雁坂トンネルが真下を通過していますが、以前は標高2082mの雁坂峠を越える登山道が国道として指定されていて、自動車では通行できない「開かずの国道」と呼ばれていたそうです。
ここから大好物の稜線歩きが始まります。
雁峠を目指し先に進みます。
行程の半分くらい来たでしょうか? 水晶山周辺は苔むした道となります。水晶山山頂ではベンチはあるけど展望は全くないので、スルーして先に進みます。樹林帯の中の薄暗い道の中、アップダウンを繰り返しをひたすら進むと古礼山に。
古礼山にはまき道があります。迷わず「まき道」を選択。
その先の燕山を超えると、この山で2000m越えの稜線は終了となります。
燕山を過ぎてしばらくすると眼下に雁峠が現われます。笹原の中に1本の登山道が続いていく景色が西日に照らされ金色に輝いています。ここから雁峠(がんとうげ)まで一気に下ります。
ここで、ちょっとシャリバテになってきたので、ザックの中のパンをかじりながら進みます。
「小さな分水嶺」に到着。石碑かあり、ここから山梨市側に降った雨は笛吹川(富士川の支流)へ、秩父市側に降った雨は荒川へ、甲州市側では多摩川へと別れていきます。
ここで降った雨のひとしずくが多摩川へ流れていき、いずれは東京・神奈川を通過して太平洋へ。
自宅近くに多摩川が流れているので、ちょっと感慨深いです。
とはいえ、しみじみしている時間もなく、日が暮れる前に笠取小屋へ急ぎます。
笠取小屋に到着。
小屋の管理をされている”おっちゃん”にテント泊を告げると、ここに張ってねと案内されます。
気さくで感じの良い方です。
テントを張り終えマッタリしていると、あたりに霧が立ち込めてきて遠くから雷の音が聞こえます。
この日のディナーは焼き肉です。鉄板を担ぎ上げました。
というのも、前回の涸沢で焼き肉をやっている方がいて、凄くいい匂いがしてきたもので真似してみました。
食事を終えてしばらくすると、案の定、雨が降り出してきました。
Review
初張り
キャンプ漫画の影響なのか、注文して4ヶ月で納品となったHapi用のインナーテント。
オーダーで半分だけメッシュにしてもらい、カラーは「イエロー」です。シェルターの「ブロンズミスト」カラーとの相性はいい感じで、ちょっとヒルバーグっぽくも見えますね。
インナーを使用すると「室内が狭くなる?」懸念もありましたが、そんな心配も杞憂に終わり、2人で使用しても窮屈さを感じさせず快適そのものでした。夜半過ぎから雨も、いつもならシェルターの隙間から雨が吹き込んだりもしてましたが、フロアの立ち上げもしっかり確保されていて室内が濡れる事なく安心して過ごせました。
ただ、フロアレスと違い、汚れた靴など気兼ねなく置けなくなってしまったのは、ちょっと不便に思うところもありますが、安心感とのトレードオフと捉えれば、とても良い買い物でした。
樹林帯までの雪山なら、シェルター+ハーフメッシュインナーの組み合わせで行ける感じです。(このあと何回か使用してみて、ちゃんとしたレビューもまとめてみようと思います。)
Next day
翌朝
昨晩の雨は明け方には上がり、テント場からは富士山がよく見えました。
そして、タイトルにもある「笠取山」のピークハントについては、話し合いの結果、華麗にスルー⸜ ( ॑꒳ ॑ )⸝ することになりました。
テントの撤収を終えて、雁峠を経由し、紅葉で色づいた木々と沢に挟まれた「亀田林業林道」へ向かいました。
心地良い沢道が続きます。トレイルは、落ち葉などで踏み跡が不明瞭な箇所も有るので注意が必要ですが、見渡せば必ずピンクテープがあり、アプリで地図を確かめながら進めば、道迷いは無いかと思います。
渡渉によって沢を何度も右・左と入れ替わり、倒木を潜ったり跨いだりも多い、自然が作ったアスレチックフィールドです。
相方は派手に片足を落水してたw
この林道は熊の目撃情報も多いらしいので、早朝や夕方は気をつけたほうが良いとのことで、クマ鈴を盛大に鳴らして進みます。
しばらく下っていくと林道入口のゲートが現れ車道に出ます。ここを下れば「道の駅みとな」にゴールです。道の駅に到着すると、観光客で賑わっていました。ここで昼食を食べ、のんびりと帰宅。
Conclusion
終わり
歴史を感じ、黄金色に染まった奥秩父の山々に癒されながらの稜線歩きは最高でした。笠取山へ登らなかったのは少々心残りはありましたが、また次回の楽しみとして取っておきます。
テント泊の縦走を楽しめる場所として都内からも短時間でアクセスできるので、シーズン初めのウォーミングアップとして計画するのも良いかもしれません。