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【登山】夏のパノラマ銀座縦走「蝶ヶ岳・常念岳・大天井岳・燕岳」(前編)

お盆休みを利用して、北アルプスの蝶ヶ岳から燕岳までのパノラマ銀座と呼ばれるルートを3泊4日で歩いてきました。
久しぶりのテント泊(なんと、今年初)、台風が近づく中の山行となり、雨、雷雨、強風、ガスといった山における様々なコンディションを経験しながら歩きましたが、雲の合間から時折みることのできた絶景に心を洗われてきました。

 

WHEELS UP: 準備

夏の北アルプスを縦走したいと思い準備を進めていました。
当初は新穂高から雲の平を予定していましたが、テント場の予約が取れず立山三山を回る計画に変更しました。しかし、出発日の数日前に台風7号が発生し、ちょうど山行予定日に関東付近に近づく進路です。
その影響もあってか、日本海側の立山方面は3日間ずっと雨とのことでしたので急遽予定を変更し、雨雲が逸れて比較的天気が悪くなさそうな蝶ヶ岳から燕岳まで縦走する「パノラマ銀座」と呼ばれるルートを歩くことにしました。

このコースの良いところは、稜線上にいくつもの小屋が存在するのと、下山できるエスケープルートもあるので、最悪天候が悪化した場合の避難が可能となります。
三股から入山し蝶ヶ岳へ向け登り、常念岳、大天井岳、燕岳を通って中房温泉に下山する25kmのコースとなります。

蝶ヶ岳は2020年秋に上高地から登り、常念岳から大天井岳を経由して燕岳までは2021年夏に2泊3日で縦走を行い、2022年は常念岳で台風直撃のため撤退といった感じで、常念山脈を一気に歩くのは今回が初めてとなります。

「パノラマ銀座」からの名前からもわかるように、天気が良ければ槍ヶ岳や穂高連峰が連なる飛騨山脈の主稜線の雄大な景色を横目に歩くことができる絶景ルートです。

今回の行程はこんな感じです。

1Day: 三股〜蝶ヶ岳(蝶ヶ岳ヒュッテにてテント泊)
2Day: 蝶ヶ岳〜常念岳(常念小屋にてテント泊)
3Day: 常念岳〜大天井岳〜燕岳(燕山荘にてテント泊)
4Day: 燕岳〜中房温泉

 

車は穂高駅近くの登山者用の駐車場を利用して、予約したタクシーに乗り三股の登山口まで移動します。
1日目が5.7km、2日目が6.0km、3日目が9.4km、4日目が3.9kmと、かなりゆとりを持った行程となります。
3日目の行程が9.4kmと長くなりますが、アップダウンの少ない稜線歩きとなるため、それほどキツくはないかと思います。

また、4日目を下山のみにしたのは、お盆休みの渋滞を避けるべく、午前中に下山して松本まで移動し一泊してから、次の日の早朝に車で東京に帰宅する為です。
北アルプス遠征時はいつもこのパターンで、渋滞知らずで帰宅しています。



 

軽量化: シェラフ無しで試してみる

さて、久しぶりのテント泊装備を担求こともあり、なるべく軽量化を図りたいと思い、今回はシェラフカバーで乗り切ることにしました。
普段使用しているダウンシェラフは0C-3C対応のもので、重さは825gです。
それに対してモンベルのシェラフカバーは180gですので、-645gの軽量化を図ることができました。

夏山とはいえ、宿泊地は2000mの稜線上ですので、バックアップとして防寒着のダウン上下はいつも携帯しています。
深夜に星空を撮影するときダウン上下は必須です。

マットはNemoのエアーマットをチョイスしました。
縦走なのでパンクのリスクも考えればクローズドセルマットの方が良いと思います。
しかし、岩場やハイマツ帯などで、外付けしたクローズドセルマットが引っかかってしまうリスク、雨天が予想されるのでザックカバーを使用する上で外付けマットが邪魔になります。何よりも、疲れを翌日に引きづらないため、寝心地重視でエアーマット選択しました。

装備の中でテントの次に体積の大きいシェラフがなくなったことにより、ザックの上蓋を外すこともできました。
それから細々した装備品を見直し、出発時に計ったザックのベースウェイトが10.5kgと過去一番の軽さとなりました。
これに飲料水や撮影機材がプラスされたとしても15kgはオーバーしません。



 

1Day: 三股登山口からスタート

仕事を定時に終わらせ、東京を20時には出発。
途中、中央道の談合坂SAにて夕食を済ませた後、JR穂高駅の近くにある「穂高駐車場」へ向かいました。
現地には12時ごろ到着、駐車場は6割ほど埋まっている状態、まだまだ余裕はありました。
お盆休み中で激混みも予想してましたが、一安心です。

車内で仮眠をとった後、4時に起床し準備を開始。
今回予約したのが「アルプス第一交通」のタクシー。
三股の登山口まで乗せて行ってもらいます。
朝早いにも関わらす、とても気さくな年配のドライバーさんでした。

登山口に到着したのが5:50。
支度を済ませ10ヶ月ぶりにテント泊装備が詰まったザックを背負います。。。大丈夫かな

ここからいよいよ登山開始、初日の今日は「蝶ヶ岳」が目的地です。
登山口を出発すると、しばらくはなだらかな道が続きます。
準備運動に最適です。

雨上がりで蒸し蒸しとしてはいますが、沢が流れていて風がとても涼しい。

途中で結構揺れる吊橋を渡りました。
高所恐怖症の方はちょっと怖いかも。。。

八ヶ岳のような、苔むした森の中を進んでいきます。
ここから、ポツポツと雨が降り出してきました。
予報では午前中は降らないとのことでしたがねぇ( ノД`)

「力水」と書かれた水場を発見。
事前リサーチで、ここのお水は飲めるそうです。

さあ、三股名物の「階段地獄」が登場です。
この後、太ももをどれだけ虐めてくれる事でしょう。

力水から5分ほど進むと「ゴジラの木」と名付けられた有名な木が出現。
おぉ、これがゴジラかぁ!! と感激の対面を果たせました。
しかし、この有名なオブジェは結構序盤にあるんですね。

しばらく進むと、「まめうち平」休憩ポイントに到着。
サラッと書いてますが、ここまでの急登で結構ダメージをいただきました。

まめうち平を出発してしばらくは緩やかな道が続きます。

第二ベンチに到着。
あと、1.7kmの表示。。。まだありますねぇ。

雲の間から前常念に続く稜線を見ることができました。

ここから先も急登は続き、滝のように汗が流れ出し、雨に濡れているのか汗なのかわからなくなるくらいずぶ濡れです。
レイン着てても蒸れてしょうがないので脱いでます。
すれ違った下山途中の2人組の男の子たちは上半身裸になってましたね(笑)

途中、綺麗なお花が咲いていました(相変わらず花の名前は覚えない)
ここまで登ってくると、九十九折りの坂が続き横移動が多くなってきたので、景色を楽しむ余裕が出てきました。

樹林帯を抜けると草原のような場所に出ました。
稜線はもう少し!!
天候も回復してきました( ゚∀ ゚)

後ろを振り返ると、安曇野の街が見えました。
結構登ってきましたね。

テント場に到着。
濡れた衣類を乾かしつつ、テントを張ることにしました。

テント場は、お盆休み中にも関わらすガラガラ。
やはり、南海トラフ大地震が来るかもって警戒もあって自粛されているのかな。
風もなさそうなので、安曇野側の特等席に陣取りました。

今回の山行に持ち込んだ新しいテント。
若きフランスのクライマー2人が創設した2018年に誕生したブランド「Samaya」のテントです。
一般的な山岳トレッキングに適したアルパインレンジに位置するSamaya 2.0は、2人用の4シーズンテントでありながら重量は驚きの1240g。メインの独自素材Nanovent®メンブレンは、耐水圧10,000mm、透湿性 40.000m g/m²/24h を実現した超高透湿性で、シングルウォールテントで悩まされる内部結露がないとのこと。

今回の縦走でテストしてみたいと思ってます。

テントを張り、付近を散歩します。

穂高連峰の方面はガッスガスで何も見えません。
本来なら、素晴らしい眺望が見渡せる超一級の展望台なはずですが。

とりあえず、蝶ヶ岳ヒュッテにてランチをいただくことに。
無性にラーメンが食べたかった。
疲れた体に塩分が染み渡ります。

食事を終えてテント内でまったりしていると、雷が鳴り出し雨が降ってきました。

安曇野市内では花火大会が開催しているようで、花火の音も聞こえてきました。
長野の方は気合い入ってますね。
東京なら、ちょっと雨が降るってだけで中止になってしまいますから。

この天気では穂高連峰に沈む夕焼けも無理そうです。
とりあえず、翌日に備えてゆっくり寝ることにします。おやすみなさい。

おはようございます。
雲の間から常念岳が見えています。
身体的疲れもあってか、朝までぐっすり眠ることができました。

本日はいよいよ縦走のスタート、常念岳を登ります。
稜線上はガスで視界が効かなく、ホワイトアウトで道迷いも怖いので明るくなってから行動することに。
(前編終わり)



 

あとがき

基本的に雨予報なら登山は行かないポリシーでした。
せっかく苦労して山に登るのだから晴天の日に「存分に景色を楽しみたい」
しかし、今回は何を思ったのか、確実に雨が降ると分かっていて蝶ヶ岳から燕岳まで縦走をしました。
次回は二日目、蝶ヶ岳を出て常念岳を登り、常念小屋にてテント泊までの様子をご報告します。
小雨と霧の中、常念岳に登る我々が山頂で見たものとは?

続く



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